武満徹の人と作品をより深く理解するための書籍、全5巻、各巻平均256ページ。各巻には、書き下ろしの詩、武満の音楽創造の核心に迫るエッセイ、谷川俊太郎氏による連続インタビュー、充実した作品解説、資料のほか、今まで日本に紹介されることのなかった海外での武満のインタビューなどを掲載、興味のつきない多彩な内容です。作曲家、武満徹の音楽創造とその精神の律動を余すところなく伝えます。各巻の構成は次の通りです。
各巻の巻頭には、現代を代表する詩人が武満徹に触発され、武満徹の音楽を聴いた感動、その思いをうたった書き下ろしの詩を掲載しました。

第1巻:谷川俊太郎  第2巻:大岡信  第3巻:吉増剛造  
第4巻:小池昌代 第5巻:バリー・ギフォード(予定)
現代音楽は難解だ。難しくて、とっつきにくい。何か手がかりがほしい。そんな声をよく耳にします。そこで、初めての人にもわかりやすい概説を各巻に掲載します。

第1巻:「武満徹はどんな人だったか」武田明倫 第2巻:「武満徹、その作品」船山隆 
第3巻:「映画をこよなく愛した人」ピーター・グリリ 第4巻:「武満徹と映画音楽」蓮實重彦(予定)
第5巻:「武満のポピュラーソング」(未定)
武満徹ほど多くの人を魅了した芸術家はいません。文学者、演奏家、作曲家、画家、詩人、ジャーナリスト、学者、映画監督、女優など、さまざまなジャンルの方々が綴る「私の“武満徹”」。

「4つのアダジオ、あるいは《弦楽のためのレクイエム》をめぐって」篠田正浩、
「武満徹、『実験工房』の時代」園田高弘、「風を孕んだ人」松村禎三、
「《ノヴェンバー・ステップス》を30数年ぶりに聴く」中村雄二郎、
「回想の中の武満徹像」山口昌男、「私が武満からもらったモノ」林光、
「《秋庭歌》に魅せられて」芝祐靖
ピーター・サーキン、吉田秀和、加藤周一、立花隆、細川俊夫、タン・ドゥン、高橋アキ、小室等ほか
武満徹の最も親しい友人のひとり、詩人・谷川俊太郎が、武満とともに戦後の芸術活動をともにした、指揮者、演奏家、作曲家に聞く。

第1巻:小澤征爾に聞く 第2巻:高橋悠治に聞く 第3巻:湯浅譲二に聞く 第4、5巻(未定)
アメリカのラジオ番組に武満徹は出演していました。そこでの対談のテープを入手。クラリネット奏者のストルツマンとの対談などを本書で再現します。
各巻テーマ別にカラー図版で武満徹と関連のある事柄を取り上げます。

[実験工房と武満徹]
詩人、瀧口修造との出会いは若き日の武満に大きな影響を与えます。武満は、瀧口修造からもらったものだけは、ほかと区別して大事に保存していました。本全集ではその全点をカラーで紹介いたします。


[武満徹と同時代の画家たち]
武満徹の音楽に触発されて、同時代の多くの画家、造形作家、デザイナーなどが作品を残しました。宇佐美圭司、堂本尚郎、山口勝弘、粟津潔、杉浦康平、ジャスパー・ジョーンズ、大竹伸朗などの代表作品をカラーで紹介します。


このほか武満徹の自筆楽譜、自筆原稿、珍しい自筆の絵画などをカラーで紹介します。
第1巻、第2巻のコンサート用作品では、各曲ごとに、作曲年、委嘱先、初演年、初演者、作詞者などの基本データ、そして武満自身の作曲ノートを掲載。曲目解説には、秋山邦晴氏などによる初演時のパンフレット・LP・CDなどからの再録。そのほか、作品の初演評、海外の新聞、雑誌の音楽記事(アメリカ、フランス、オランダ、ドイツ、イギリス、ポーランド、スウェーデン、カナダなど)を紹介。とくに海外での初演時の批評はほとんど紹介されたことがなく、武満作品の国際性を物語る資料としても貴重なデータになるはずです。
第3巻、第4巻の映画音楽では、監督名、製作会社、公開年、出演者などの基礎データのほかに、あらすじ、音楽がどのように用いられているのかを掲載します。
第5巻ではこれまでほとんど未紹介の作品を数多く収録。委嘱団体、作曲年、作曲の経緯など、できる限りの情報を掲載します。
第5巻にはこれまでの研究成果を集大成した詳細な年譜(執筆・小野光子)を掲載します。新しく発見された作品を含め、コンサート用作品、映画、演劇、TV、ラジオのための作品などを年譜と並列させ、創作過程を浮き彫りにします。数ある武満の執筆から時代と切り離せない作曲家自身の言葉を引用、同時代の社会的出来事、文学や美術の動向を交えて作曲家・武満像に迫ります。

執筆者一覧(予定)
浅利慶太 (劇団四季主宰) 粟津 潔 (デザイナー)  池藤なな子 (日本ショット)
池辺晋一郎 (作曲家) 一柳 慧 (作曲家) 今井信子 (ヴィオラ奏者)
岩城宏之 (指揮者) 宇佐美圭司 (画家) 宇野一朗 (東京コンサーツ)
大岡 信 (詩人) 奥山重之助 (録音技師) 小澤征爾 (指揮者)
恩地日出夫 (映画監督) 加藤周一 (評論家) 加納光於 (画家)
河合隼雄 (心理学) 河毛二郎 (王子製紙元会長) 岸田今日子 (女優)
小池昌代 (詩人) 小泉 浩 (フルート奏者) 小室 等 (歌手)
近藤 譲 (作曲家) 坂上 弘 (小説家) 猿谷紀郎 (作曲家)
篠田正浩 (映画監督) 芝 祐靖 (伶楽舎音楽監督) 荘村清志 (ギタリスト)
鈴木大介 (ギタリスト) 園田高弘 (ピアニスト) 武田明倫 (音楽学)
高橋アキ (ピアニスト) 高橋睦郎 (詩人) 高橋悠治 (ピアニスト)
立花 隆 (作家) 谷川俊太郎 (詩人) 堂本尚郎 (画家)
中村雄二郎 (哲学) 沼尻竜典 (指揮者) 野村紀子 (プロデューサー)
蓮實重彦 (映画評論家) 羽仁 進 (映画監督) 林 光 (作曲家)
日野晧正 (トランペット奏者) 船山 隆 (音楽学) 細川俊夫 (作曲家)
松村禎三 (作曲家) 松本俊夫 (映画監督) 柳町光男 (映画監督)
山口恭範 (打楽器奏者) 山口昌男 (文化人類学) 湯浅譲二 (作曲家)
横山勝也 (尺八奏者) 吉田直哉 (演出家) 吉田秀和 (音楽評論)
吉原すみれ (打楽器奏者) 吉増剛造 (詩人) 林 淑姫 (音楽学)
渡辺香津美 (ギタリスト) 渡辺貞夫 (サキソフォン奏者) 和田 誠 (イラストレーター)
Barry Gifford
バリー・ギフォード (作家)
Donald Richie
ドナルド・リチー (映画監督)
Daniel Schmid
ダニエル・シュミット (映画監督)
Irvine Arditti
アーヴィン・アルディッティ
(ヴァイオリニスト)
Jasper Johns
ジャスパー・ジョーンズ (画家)
Kent Nagano
ケント・ナガノ (指揮者)
Oliver Knussen
オリヴァー・ナッセン (作曲家)
Peter Grilli
ピーター・グリリ (プロデューサー)
Peter Serkin
ピーター・サーキン (ピアニスト)
Richard Stolrzman
リチャード・ストルツマン
(クラリネット奏者)
Tan Dun
タン・ドゥン (作曲家)
ほか(五十音・アルファベット順)