R-14




こういう時代なので僕のポストカード作品にもR指定というのを設けます。

14です。

僕は公園で売っていても、生意気ながらこちらから売らないことももよく有りました。

これを読んでくれている人は僕のやっていること(便宜上これを「芸術」とよびますが)に理解を持ってくれていると思っているので心配には及びませんが、どうみても服に 何のこだわりも感じられない人にはTシャツは勧めません。

買ってくれればいいというのではないのです。

人はおしゃれであるべきです。

僕のポストカードはまず「絵」ありきです。

お店や、僕の露天で僕の作品がおいてあるのを初めて見るとき、そこにタイトル、ましてやあのようなタイトルがあることには気づきません。

絵を見て気に入ってくれて、それであとでタイトルを見てくれた時の、新しい局面・・自分で思っていた感想とのギャップ、裏切り。

あるいは、まさに!というような共感。

そのような二次的な印象を持つことによって奥行きのある人生の一場面をあの一枚に作り上げようとしているわけです。

ですからタイトルをあわせて見ないと僕の作品の半分は意味がないことになります。

しかしもちろん、それは僕の意図、それも必要に迫られた時にだけ説明するものであって、基本的には作品はそれを発表した時点で僕の手から離れ、受け手の印象は自由であるべきものです。

公園で僕が自分で売っている時は説明もしますし、お店で売ってる時もPOPという説明文を用意しますが、それを置かない店もたくさんありますし、それはそれでいいのであります。

「絵」としても充分魅力あるものを作っているつもりですし、それを単純に気に入ってくれればそれでいいのです。

ただ、タイトルを知らないと、僕に言わせれば作品の魅力は半減するといいたいのです。

というか絵で楽しんでタイトルも楽しむことができれば2倍楽しめると言うべきかな?しかし実際、絵はとても気に入ったけど、あとでタイトルを知ってイメージと違った、という人もいました。

それはそれでいいんだ。

まあ少なくとも自分の手の届く範囲では、つまり公園で売る時などは、14才以下にわからなそうなタイトルの作品は「R14指定」の名のもとに売らないことにします。

もちろんおわかりのようにこれは冗談の域を出ません。

そんなこと、世の中がR-15の話題が出るまでその用語すら知らなかったのですから便乗的なことはおわかりでしょ。

それに12才の子供でも「我が道をいっているのか世の中に取り残されているだけなのか時々悩む青年」の絵を「ロケットの絵だ、かわいい、欲しい」と言われれば、最終的には売ります。

しかし、一応最初にその人にはR-14指定だよ、と警告はするつもりであります。

まあ、これも広い範囲の僕の芸術の一部だと理解して下さい。

 

▽▽ 1995 POST CARD タイトル ▽▽

 

ジャン・コクトーに才能があるかないか悩む青年
14才でジャン・コクトー(1889〜1963)を知っているとは思えない


文句言わない協会を脱会しようかとひそかに考えている青年
ここにたどり着くまでには信条を二転三転してこなければならない。
「文句言わない協会」に入会するのもいろいろ考えたうえでのことなのだから


精神分析を必要とする青年
その用語を知っているとも思えない


一番きれいな雪の破片を見つけ、  そしてそれを食べようと考えている青年
実はこれは深い物語を象徴化したものだ。
第三作品集「だから?」P63参照



形骸化された日々を送る青年
単語の意味を知らないと思うよ、まず



もっとも不幸な時にもっとも幸せを感じる青年
これは微妙な判断だたが、そんな子供が増えないための期待も込めて指定



▽▽ 1998 POST CARD タイトル ▽▽



自由と孤独の間で宙ぶらりんの青年
実際14才以下にもそんな子はいるだろう。 しかし、その感情がリアルになるのには他の色んなことも経験しなければならない



我が道をいっているのか  世の中に取り残されているだけなのか時々悩む青年
よく考えたらこれって「自由と孤独・・」と発想が似てなくもない



人生は短いのだからムカついたり妬んだりしている暇はないと
口には出さないが心に思う青年
人生が短いと思わないと思うよ、まだ



頭のスイッチをオフにしてつまらない話を聞き流す青年、
 あるいは抽象的なじゃんけん、あるいは二人のむち打ち
絵は14才以下にもばっちりだと思う。 タイトルは無理



あなたのそのへらない口、すこし減らしてみてはいかがですか?・・
これも人生があるていど進まないと起きない感情



▽▽ 1999 POST CARD タイトル ▽▽



宇宙の奏でる音楽に耳を傾ける青年
鳥の鳴き声、人の泣き声、または怒鳴り声、車の騒音、世界のどこかで轟いている銃声、 またはどこかの一室でひそひそ声で行われてる国家転覆計画・・ そのようなすべてが宇宙全体の交響曲のパート(楽器)だという意味です。 シニカルな意味ももちろん含みますが、それだけではありません



人生という限りある時間の中から永遠を見つけだそうとする青年
まあ、まだ早いと思います



前向きに生きようと心に誓ったものの  どっちが前か分からず途方に暮れる青年
まあ、まだ早いと思います



人生はジェットコースター
(ハラハラどきどきしたいけど、本当に落ちるのはゴメンだね)
まあ、まだ早いと思います



馬鹿になるには真面目すぎ真面目になるには馬鹿すぎる青年
自己分析だからなあ、これは



明日の今頃どこで何をしているんだろうかと思う青年
田園の憂鬱編    ・       都会の憂鬱編
義務教育の子供達にこのような感慨はおこらない



夢かあ、と呟いてためいきをもらす青年
実はこのタイトルにはふたつの違った意味があるが、 メインのほう、すなわち昼見る夢のことを言って「夢かあ・・」 と溜息をつくにはもちろん早い



あなたも一度/旅に出てみてはどうですか?/旅は心を広くすると言いますよ/旅に出て/少しは子供になりなさい
この時期はまだ「旅に出て大人になる」になるのを目指す時期です



▽▽ 2000 POST CARD タイトル ▽▽



どんなものにも「絶対」などというは絶対に存在しないと主張する青年
このへんの禅問答的なタイトルもあと3年くらいしてから



人は結局孤独なんだと結論する青年
これもいろいろ経験した結論として



次のじゃんけんで人生が大きく別れることを知っている青年
このギャンブラー的タイトルももう少したってから



人は物事がうまくいったときよりも、
むしろうまくいきそうだと感じる時の方が幸せだと考える青年
これも人生をあるていど生きていかないとでない感想です



うまれたついでに生きる青年
これは僕の考えであり、反対なさる方もいるかもしれませんね。
僕がこう思ったのは5年くらい前かな



自分の過去を脱ぎ捨てた青年
過去を衣服のように脱ぐ、という脱皮のような感覚です



▽▽ 2001 POST CARD タイトル ▽▽



自分は適当にやっているだけなのに人が勝手に深い意味に
とってくれるからありがたいと思う青年
難しくとらえたがる人たちのことです



時間が始まった地点にもどろうとする青年
これはいろんな意味でとらえられる



逆ムンクの叫び
ムンクを知っているでしょうか?しってるかもね。
でも一応



欲望には従うべきかうちかつべきなのか答えが出せない青年
子供は従うべきだとしか思わないでしょう



どんなものもそれないりに良くそれなりに悪いと思う青年
それもまだわからなさそうだな



 

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