2019/10/14 ご来店
絵や文章での表現を志してきた永山は、38 歳の誕生日、古い知人からメールを受け取る。 若かりし頃「ハウス」と呼ばれる共同住居でともに暮らした仲野が、ある騒動の渦中にいるという。 永山の脳裡に、ハウスで芸術家志望の男女と創作や議論に明け暮れた日々が甦る。当時、彼らとの作品展にも参加。そこでの永山の作品が編集者の目にとまり、手を加えて出版に至ったこともあった。一方で、ハウスの住人たちとはわだかまりが生じ、ある事件が起こった。忘れかけていた苦い過去と向き合っていく永山だったが――。 漫画家、イラストレーター、ミュージシャン、作家、芸人……。 何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待っていたものとは?
1980年大阪府寝屋川市生まれ。吉本興業所属の芸人。お笑いコンビ「ピース」として活動中。 2015年に本格的な小説デビュー作『火花』で第153回芥川賞を受賞。 2017年には二作目となる小説『劇場』を発表。 2018年9月より翌年5月にかけ、初の新聞小説となる『人間』を毎日新聞夕刊で連載。 他の著書に『第2図書係補佐』『東京百景』などがある。