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 医学のたまご ミステリーYA!
 
海堂尊/作 出版社:理論社 定価(税込):1,365円  
第一刷発行:2008年1月 ISBN:978-4-652-08620-9  
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飛び級して研究室に入った天才少年たちは、最先端の研究をめぐる医学界の熾烈な争いに巻き込まれていく……。
 
医学のたまご ミステリーYA! 海堂尊/作

本の要約

僕は曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。ちょっと要領のいい、ごくフツーの中学生だ。そんな僕が、ひょんなことから「日本一の天才少年」となり、東城大学の医学部で医学の研究をすることに。でも、中学校にも通わなくっちゃいけないなんて、そりゃないよ…。医学生としての生活は、冷や汗と緊張の連続だ。なのに、しょっぱなからなにやらすごい発見をしてしまった(らしい)。教授は大興奮。研究室は大騒ぎ。しかし、それがすべての始まりだった…。ひょうひょうとした中学生医学生の奮闘ぶりを描く、コミカルで爽やかな医学ミステリー。


オススメな本 内容抜粋

僕の名前は曾根崎薫。桜宮中学の1年生。でもって、女の子み
たいな自分の名前がちょっぴり嫌いだ。桜宮中学は私服の学校だ
けど、実は詰襟の制服だったらよかったのに、といつも思ってい
る。そうすればシッターの山咲さんに服装のことをあれこれ言わ
れずに済むし、名前を呼ばれたあとで、いちいち男?女?と
か聞き返されないで済むはずだから。そんな僕は、黄色い表紙の
ノートを1冊持っている。その第一ページに書き写したのが、
「世界は呪文と魔方陣からできている」という言葉だ。これは僕
の一番のお気に入りで、この言葉は、パパがある日、僕に言った
ものだ。
パパの言葉は時々わからないこともあるけど、あとになってわ
かることもある。僕はもっとパパと話をしたいと思うけど、よく
ある話で、僕とパパの間はちょっと距離がある。まあ中学1年
生、13歳の生意気ざかりのとんがった子どもとうまくやれる大
人なんて胡散臭いから、ある意味でパパは純粋なんだと思う。
僕のパパは「ゲーム理論」とかいう学問分野ではずいぶんと偉
い学者だそうで、ときたま新聞に顔写真入り記事が載る。そうし
た記事は科学面で取り上げられているけど、難しい言葉が並んで
いて、実は読んでもあまり理解できない。でも悔しいからパパの
前では、僕はいかにもわかったブリをする。するとパパは、時々
思い出したようにさっきみたいな言葉をそっと教えてくれる。
で、ごくたまに、僕にもわかる言葉を言ってくれることがある。
そんな時は僕は感動してしまって、パパの言葉をこっそり秘密の
ノートに書きつけたりする。
2月も半ばだ。そういえば今年は閏年。全然関係ないけど美智
子からバレンタインデーのチョコをもらえなかったなあ、などと
丸裸の銀杏の木を見ながら、ぼんやり夢想していると、突然野太
い声が僕を呼ぶ。


(本文P. 6〜7より引用)


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