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 おそめ 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生
著者
石井妙子/著
出版社
洋泉社
定価
税込価格 1,890円
第一刷発行
2006/01
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ISBN4-89691-984-X

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伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生
 
おそめ 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生 画像

本の要約

はんなりとして、芯の強いひとりの京女がいた。夜の銀座をつくったおんなだった。銀座が銀座であった時代―。伝説のバーがあった。その名は「おそめ」。マダムは、元祇園の人気芸妓。各界の名士―白洲次郎、小津安二郎、川端康成、川口松太郎など―が夜な夜な集い、「夜の文壇」「夜の財界」「夜の政界」ともてはやされた。嫉妬うずまく夜の銀座で栄光を掴み、「空飛ぶマダム」とまで呼ばれたが、やがて大きな蹉跌が……。私生活では、仁侠映画で一世を風靡した映画プロデューサー・俊藤浩滋をひとりのおんなとして支え続けた恋女房だった。「夜の蝶」のモデルといわれる女(ひと)の数奇にして華麗な半生を徹底した取材で描く。



オススメな本 内容抜粋

▼序章

出会い

その女の名は、上羽秀という。
しかし、おそめ、という通り名のほうが人に知られているかもしれない。
教えられた家はすぐにわかったものの、それはあまりに豪壮な屋敷で私はすっかり気おされて
しまった。平安神宮に向かい、疎水沿いに右へと曲がる。高級住宅地として知られる界隈でも、
ひときわ目をひく四階建ての豪邸だった。
クリーム色の外壁に、青銅の屋根が陽を受けてまぶしい。高い鉄柵に覆われた建物は、個人の
家というより、まるで瀟洒な美術館のようだった。
伝え聞く老女の噂から、昔話にあるような佗びた住まいを勝手に思い描いていた私は、建物の
豪奢さにまず気を呑まれながら、それでも高い塀の一角、「かふ、凡うえば」と書かれた看板に
向かって歩んでいった。あれは、もう今から何年前のことになるのだろう。暑い夏の、昼下がり
だったと記憶している。
思えば、その女の名をはじめて聞いたのも夜の京都だった。
花街にあるカウンターだけの気楽な店で、久しぶりに会う友と近況を語り合った折のこと、


(本文P. 9より引用)




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