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 ダ・ヴィンチ・コードの謎を解く 世界的ベストセラーの知的冒険ガイド
著者
サイモン・コックス/著 東本貢司/訳
出版社
PHP研究所
定価
税込価格 1470円
第一刷発行
2004/10
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ISBN4-569-63885-6
 
キリストは、本当に結婚していたのか?最後の晩餐でキリストの隣にいるのは女性?ダ・ヴィンチは、シオン修道会の総長だった?キーワードで66の驚愕の真実に迫る。
 
ダ・ヴィンチ・コードの謎を解く 世界的ベストセラーの知的冒険ガイド

本の要約

『ダ・ヴィンチ・コード』の聖杯伝説、キリストの結婚の有無、最後の晩餐の秘密などの謎を、真実と小説に分類して解明したベストセラー。
[目次]
「東方三博士の礼拝」―ダ・ヴィンチの隠蔽工作;アルビ(アルビジョア)十字軍―異端撲滅運動;アンク(アンサタ)十字―ジャック・ソニエールのコレクション;マヌエル・アリンガローサ―オプス・デイの枢機卿;アスモデウス(アマシュダイ)―鬼形の守護神;アトバシュ・サイファー(暗号)―ヘブライ語の暗号システム;バフォメット―テンプル騎士団の偶像神;クレアヴォーの聖ベルナール―聖杯伝説の理解に欠かせない人物;シスター・サンドリーヌ・ビエイル―名前に隠された系譜;黒マドンナ(像)―黒色の聖母マリア〔ほか〕



オススメな本 内容抜粋

はじめに

キリストが最後の晩餐に用い、後に十字架の下でヨセフがキリストの血を受けたとされる《聖杯》伝説が、長きにわたって相反する意見が戦わされる題材となってきたこと自体は特に珍しくはない。
だとしても、『ダ・ヴィンチ・コード』ほど激しい論争を引き起こす小説もめったにないだろう。
発表以来、全世界で六百万部に届こうかというベストセラー街道を驀進する、ダン・ブラウンが書いたこの”殺人ミステリー”は、ぺーパーバック版の発売によってさらにその部数を増やしそうな勢いである。
落ち着くところが見えそうにない同書への好意的、あるいは非好意的なリアクションそのものが、この本を尋常ならざるものにしている。
まず、中傷サイドから見てみよう。一般的に、それらはいくつかの小グループに分けられる。
第一に、ブラウンの本は歴史的な見地から見て正確ではなく、リサーチも十分に行われていないと主張する人々がいる。
次に、ブラウンの小説を、キリスト教の教義および正統性に対する著しい挑戦だと見なす人々。
その理由もわからないではない。
『ダ・ヴィンチ・コード』を読み進めれば誰でもピンとくるように、その主たる前提になっているのは「キリスト教会が過去二千年にわたって何かを隠し通してきたこと」だからだ。大胆極まりなく、かつ、原理主義者や神学弁証論者、キリスト教リベラリスト辺りから、悪意に満ちた攻撃を受けるに十分なテーマである。
インターネットの関連ホームページをざっと眺めてみればいい。
ブラウンが、数多くのキリスト教神学者から怒りを買っているのは歴然としている。
日く、『ダ・ヴィンチ・コード』は全編にわたって「破壊的」であり、キリスト教信者を攻撃する目的で書かれている!
事実、これらの一致団結した弁証論者たちは、自ら書を著してまで、ブラウンの著書を「でっちあげ」で「神を畏れる世界中の民に対する凶悪な犯罪行為」であると糾弾しているのだ。
論議のべースは、ブラウンがさまざまな反体制的歴史書物から導き出した“解釈”、すなわち、キリストはマグダラのマリアと結婚して子供をもうけ、その血脈が綿々と続いているとする点にある。
「キリストは神の子ではなく“血肉の通った人間”だった」と言うのだから、その神性に疑問を投げかける重大な概念、仮説である。
この血脈説については本書の「マグダラのマリア」の項で詳しく触れていくが、ここで確認しておかねばならないのは、福音書や新約聖書を額面通りに受け取る限りは弁証論者たちの反論も至極当然だということだ。
キリストとマグダラのマリアが婚姻関係にあったという明確な証拠はどこにもない。
だが、新約聖書や福音書が黙して語らないことこそ、ブラウン“仮説存の一メインテーマでもあるのだ。つまり、黎明期の教会は”この情報”がとんでもないダメージをもたらすと判断した上で、新約聖書の原初の口述筆記者や編者たちに圧力をかけてオリジナルテキストから意図的に削除させ、初期の教父たちによリアピールする”無菌バージョン”に仕立て上げたというのである。
ただし、ブラウンの”告発”を彼の小説の中で探し出そうとしてもあまり意味はない。
そんな興味に答える本はもっと他に存在する。

 

 

(本文P. 9〜11より引用)



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