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 もうひとつの冬のソナタ チュンサンとユジンのそれから
著者
キムウニ/著 ユンウンギョン/著 うらかわひろこ/訳
出版社
ワニブックス
定価
税込価格 1500円
第一刷発行
2004/09
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ISBN 4-8470-1569-X
 
「冬ソナ」作家が初めて書き下ろした、失われた3年間とその後のふたりの物語。未発表エピソード&写真が満載の、もうひとつの冬のソナタ。感動のアナザーストーリーが、新たな涙を誘います!
 
もうひとつの冬のソナタ

本の要約

◆「冬のソナタ」の脚本家2人が始めて明かすもう1つの「冬のソナタ」の全て…。
◆あの空白の3年間の秘密がついに明らかに!!
◆巻頭に撮影現場のオフショットなど秘蔵のカラー写真も満載!
◆脚本家だから語ることの出来る「冬ソナ」続編?!さらには出演者&監督の素顔にもクローズアップ!脚本家が選ぶ「冬のソナタ」名セリフ集・解説など!オリジナル脚本家にしか書くことに出来ない「冬ソナ」関連本、緊急発売!!



オススメな本 内容抜粋

ユン・ソクホ監督との出会い

『冬のソナタ』……。
このドラマについて考える時、私たちふたりの作家にとって真っ先に思い浮かぶのは、やはりユン・ソクホ監督との出会いと言えるでしょう。
人は人生の中で少なくとも3度ほど大切な、そして運命的な出会いを経験します。
両親との出会い、兄弟姉妹たちとの出会い、そして一生をともに泣き笑いしてくれる仲問やかけがえのない友達との出会い……。
そうした意味で、作家である私たちにとってユン・ソクホ監督との出会いは、人生における大きな大きなターニングポイントとなりました。
今でも監督に初めて会った時のことを思い出してみると「本当に、人と人の出会いには目に見えない何かが、働いているのかもしれない……」。
ふと、そんなことを考えてしまいます。
私たちが監督に初めて会ったのは2001年の7月。
ある夏の日の午後でした。
当時私たちは韓国芸術総合学校の「映像学院」というところで、映画の勉強をしていました。
私たちふたりは一緒に短編映画を作ったりしながら、平凡な学生として生活を送っていたのです。
あのころ私たちは“いい映画”を作ることにしか興味がなく、ドラマに対しては何の才能も情報も持ち合わせていませんでした。
実際、テレビドラマに熱中するタイブでもありませんでしたし。
そんな私たちが、当時KBS(韓国放送公団)が毎年募集していた「シナリオ公募」に作品を送ってみようなどと考えたのは、正直言ってその賞金に目がくらんだという以外の、なにものでもありません。
そのころの私たちといえば、本当にお金がなく常に赤貧状態。そんな私たちに「シナリオ公募“賞金”」という甘い誘惑は、もはや誘惑を超えて切実な現実問題でした。そこでふたりは仕事部屋にこもり、三日三晩徹夜をして、『アユが住んでいたところ』という放送用シナリオを何とか仕上げたのです。
今考えてみると『アユが住んでいたところ』も男女のラブストーリーを描いたもので、『冬のソナタ』とちょっと似た感じのする作品だったと思います。
そうこうして出来上がった私たちの記念すべき”にわか作り処女作”は、後で放送局の監督さんたちから聞いたところによると、最終審査まで残ったものの結局は落選したということでした。
ところが、その結果が結局、今の私たちにこの上ない幸運をもたらしてくれたのですから、本当に人生というのは計り知れないものだとつくづく思います。
私たちが「シナリオ公募」に作品を出してーヵ月ばかり経ったある日、学校に電話がかかってきました。
KBSのイ・ヒョンミン監督(当時、『冬のソナタ』のプロデューサーをなさっていた方)という人からの電話でした。そしてイ監督の紹介で2001年7月、ソウルのとあるカフェでユン・ソクホ監督に初めてお会いすることになったのです。

“初恋”と“記憶喪失”をモチーフに作品を創りたい

ユン・ソクホ監督はそのころ『秋の童話』の制作を終え、次回作の準備で多忙をきわめていらっしゃいました。もちろんユン監督といえば、当時から放送の世界では名前を知らぬものはいない、非常に有名な人物でした。にもかかわらず先ほどお話ししたとおり、私たちはドラマについて門外漢であったために、監督がどれほどすごい方であるかもわからず、自分たちの置かれている立場も考えず、ただ無頓着にお目にかかったことを思い出します。
監督は『アユが住んでいたところ』のシナリオを読んで面白かったとおっしゃりながら、「何かいいアイデアはないだろうか」と、独り言とも思える口調で訊かれたのです。私たちは当然何の準備もできていなかったので、「ありませんねー」と答え、その日、監督との初めての出会いは少々のぎこちなさと緊張をともなっただけで、気が抜けたように幕が下ろされました。そして私たちはその後のことなど知るよしもなく、何事もなかったかのように、監督との出会いはいつしか忙しい学校生活に埋もれていってしまいました。
そんなある日、監督との再会の機会が巡ってきたのです。それはその年の9月のことでした。
次回作の構想を練っていらっしゃった監督から私たちに、あれからドラマのアイデアは膨らんだかどうかという電話がかかってきたのです!監督がおっしやるには、「“初恋”と“記憶喪失”というテーマをモチーフに使った作品を創りたい」というお話でした。
私たちは得意の即興(今考えてみると本当に粗削りで未熟な)で書き上げたストーリーを引っさげて再度、監督にお目にかかりに行きました。

 

 

(本文P. 26〜29より引用)


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