1万人の政財界エリートと接してきた“銀座ママ”が、ガンを乗り越え、初めて綴った人の心に残る本物の男のなり方、見抜き方！肩書きでも、年収でも、外見でもない、いい男の条件とは。

［目次］
第１章　いい男には、潔さがある；第２章　いい男は、孤独を楽しめる；第３章　いい男は、全てに愛情を注ぐ；第４章　いい男は、稼ぎ方を知っている；第５章　いい男には、いい親友がいる；第６章　いい男は、どん底で力を発揮する；第７章　いい男は、いい女でつくられる

銀座「ふたご屋」のママとして一万人の政財界の方と接してきました。
誰もが知っている大企業の社長さんや、ベンチャー企業のオーナーの方、官僚をはじめとするいわゆるエリートと呼ばれる方……。
そういった方と接するうちに、逆に本当の「いい男」というのは、誰もがうらやむような肩書きとか、年収の多さだとか、ひと目で惹きつけられる外見だとか、そういったところにあるのではないということに気づきました。
そういうものは、吹けば飛ぶようなものです。
人はいいときもあれば、悪いときもあります。
逆に、逆境のときにこそ輝くような魅力をたたえられる男、そういった男こそ、真にいい男だと思います。
「一万人を見てきてわかった、真にいい男の共通点を教えてください」
と多くの男性の方から言われました。
「いつもダメな男に引っかかってしまって……。いい男の見抜き方を教えてください」
と多くの女性から質問を受けます。
そういったお話をいただき、さまざまな男性や女性の表情を思い浮かべながら、この本を書き始めました。
親友たちから、また撃沈したと携帯が鳴る夜があります。
「またなの？どうして男のお勉強ができないの？」
と笑って救いだすこともあります。
誰でも、嘘でもいいから好きだと言ってほしい夜があります。
一人で生まれてきたくせに、切実に相手のことを思って……。
でも、それぐらい、いい男に出逢いたいと思っていた親友たちを、も思います。
素敵だなといつ人は出逢いと別れを繰り返しているように見える日もあります。
人は別れがあるから出逢うのだということがわかっていれば、つまずいて立ち上がることができるのです。
つき合うなら、いい男がいいに決まっています。
いい男の条件に当てはまる、いい女でいたいと思います。
ひどく難しいことのように思えますが、力を抜いて、自分のことを真剣に見つめてください。
わー、がんばりすぎだ、と思うはずです。
楽しく生きるためには、いい男選びが大切です。
女は、実は、こんなところを見ていますって内緒話も書きました。
とってもいい人生だったと後で振り返ることができるために、そして生きていくことがもっと楽しくなれるように。
またいつか、私もどこかでいい男に巡り合いたいものです。
そんな旅の途中からの思いが伝わってくれたらうれしく思います。
何ごともあきらめないことで、すべてが始まるのです。
この本を執筆している途中に、ガンの宣告を受けました。子宮体ガン。
手術をしなければ、余命半年と言われ、手術をしたのが六月三日のことです。
お陰様で、無事成功し、今は、前向きに生きるためリハビリに励む毎日です。
この三ヵ月の間に、私は、あらためて、人との出逢いのすばらしさを知ったように思います。
過去も、未来もない。
今、この瞬間を、いろいろな人と一緒に生きている。
幸福の本当の意味を知ったように思います。正直に言えば、もうこの本が、世の中に出ることはないかもしれないと、ちょっとだけ弱気になった夜もありました。
そんないきさつの末、こうして皆様に手にとってもらえて胸がいっぱいです。
男性の方にも女性の方にも喜んで読んでもらえるよう工夫したつもりです。
この本を読んで少しでも多くの人に元気を持っていただければと思います。
そして私も必ず元気になって、再び銀座「ふたご屋」に戻りたいと思っています。

二〇〇三年九月吉日

ますい志保