石原裕次郎の贈りもの
著者
増田久雄/著
出版社
PHP研究所
定価
本体価格 1600円+税
第一刷発行
2003/07
ISBN 4-569-62893-1
 
故石原裕次郎の17回忌に際し、往時の思い出や今日に生き続ける彼の功績への感謝の気持ちを、関係者のエピソードとともにつづる手紙。
 

「生きていても死んでいる人間が多い中で、死んでまた生き返る裕次郎の凄さ――」。故石原裕次郎の三回忌に勝新太郎氏が弔辞で述べた言葉である。今年は早や十七回忌を迎える。そして今もなお、石原裕次郎の映画人としての思いは、映画界はじめ、さまざまな関係者の心の中で、生き続けているのである。

 本書は、石原裕次郎を人生の師と仰ぐ著者が、彼の逝去後に多くの人々から聞かされた、まるで自分の肉親か恋人のように語る裕次郎氏への熱い思いを、各々のエピソードを紹介しながら、天国の彼への手紙として綴ったものである。20万人のファンが殺到した十三回忌の法要当日から手紙は始まり、峰岸徹、勝新太郎、徳光和夫、藤竜也……さまざまな関係者の石原裕次郎へのオマージュが、日本映画界の現況とともに綴られていく。

 巨大な映画人・石原裕次郎への追憶として書かれた本書は、また、映画界を舞台にした人間讃歌のノンフィクションでもある。



裕さんの贈りもの

石原まき子

裕さん、
チャー坊がまた、裕さんへの手紙を、『石原裕次郎の贈りもの』という本にしてくれました。
今回の本には、裕さんと多くの友人の方とのエピソードが綴られています。
その中には、私も知らなかったお話がずいぶんありました。
活字を追っていきながら、
「こんなことがあったの?」
「そんなこともあったの!」
と、くすっと微笑ってしまったり、そうかと思うと、胸がキュッとなる箇所もありました。
でも、それらのすべてが、いかにも裕さんらしいエピソードで、その場の様子が目に浮かんできて、あたかも私がその場に居合わせたような錯覚に陥りました。
この本に登場してくる方々とのお話を知るにつけ、裕さんがいかに皆様に愛されていたか、また、裕さんがいかに皆様に対して裕さんらしい優しさと誠実さで接していたかを窺い知ることができて、嬉しかったです。
そして全編を通して感じられたのは、本書にも、七年前に出版した『太平洋の果実 ─ 石原裕次郎の下で』の時と変わらない、チャー坊の裕さんへの尊敬の念が込められていることでした。
本書の中に、裕さんが自分では気付かずに、いかに多くの人々に贈りものをしたか、それが今でもなお失われずに遺っているか、と書かれてあります。
そう言われてふと考えてみると、私も裕さんから知らず知らずのうちにいただいていた、たくさんの“心”の贈りものがあることを改めて思いました。
裕さんが亡くなってから十六年という年月が経った今になって、こうして実感できるのも、とても幸せな気持ちです。
早いもので今年は裕さんの十七回忌を迎えます。
私も皆様とご一緒に、「裕さんの贈りもの」を、改めて受け取らせていただきます。

チャー坊、ほんとうにご苦労さまでした。

(本文P.1〜2 より引用)


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