パパ大すき
三つになったせいちゃんは、パパが大すき。
日曜日は、パパのおしごとがお休みなので、 まちどおしくてなりません。
(毎日が、日曜日だったらいいのになあ……)と、思ってしまいます。
パパはお休みになると、うえ木の手入れか、かなづちとくぎをもって、トントンと大工さんをしています。
そんな時、パパが大すきなせいちゃんは、かた時もパパのそばをはなれません。
そして、せいちゃんのおとくいな「どうして?」が、はじまるのです。
何にでもきょうみがあるせいちゃん、何でもふしぎでならないせいちゃんは、「どうして?」「どうして?」をれんぱつしています。
はじめのうちは、パパもおしごとをしながら、いっしょうけんめい、わかりやすくせつめいをしてあげました。
ところが、しばらくすると、さっきせつめいしたことをまた「どうして?」「どうして?」と、聞くのです。
どうも、せいちゃんの「どうして?」は、本当に「どうして」と、たずねるばあいと、もう一つは口ぐせのようです。
パパはいそがしいのに、せいちゃんは、そばでちょこちょこ。
あっちへ行けばあっちへ行く。こちらへ来ればまたこちらへついてきて、「どうして?」のれんぱつ。
とうとうかんにんぶくろのおが切れて、「あっちへ行ってなさい!」
と、しかられてしまいました。
しかられたせいちゃん、すごすごとママのいるおうちの中へ。
おもちゃぱこからおもちゃを出して、しばらくひとりであそんだかと思うと、しかられたこともわすれて、またパパのところへ。
しかし、さっきと同じことで、しかられてはおうちの中へ。
しかられてもしかられても、パパが大すきなせいちゃん。
それは、パパのやさしい目を見ているから。
そして、パパのやさしい心を知っているからでしょう。
きょうも(何でもよくできる、えらいパパみたいになりたいなあ。)と、思いながら、パパのそばにくっついているのです。
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