いつも「忙しい」を言い訳にする人たち
著者
ベス・ソーイ/著 大野晶子/訳
出版社
ソニー・マガジンズ
定価
本体価格 1500円+税
第一刷発行
2003/03
ISBN 4-7897-2021-7
やりたいことは、いっぱいある。バランスよく時間を使う方法教えます!

「家庭生活を充実させて趣味も楽しみたい」誰もがそう思っているはずなのに、実行できないのはなぜ? ちょっと無理をして時間を割くのは、いつも仕事のためばかり。。。
そんなあなたのために自分の時間をいかにバランスよく使うにはどうしたらいいかを具体的にアドバイスします。著者のセミナー受講者の体験談も豊富に紹介。


すべての答えが出ている、どう生きるかということ以外は。

ジャン=ポール・サルトル

いま、あなたはどこでなにをしているのだろう。
昼休みに、本屋で立ち読み?混雑したバスや地下鉄のなか?
それともベッドに倒れ込み、本でも読もうとしているところ?おそらくあなたは、読書の時間などそう多くは取れないはず。
それどころか、なにをするための時間も─仕事に関連しないことならなおさら─充分に取れない、と感じているのではないだろうか。
だからいま、もっと楽しいことのための時間を見つけられるよう、本書に期待しているはずだ。
わたしがこの本を書いたのは、まさにあなたのような人のためであり、それはつまり、わたし自身のような人間のためだった。
現代社会でつねに時間のプレッシャーと闘っている人のためだ。
誰しも仕事を持ち、通勤に時間をかけ、終わることのない雑用に振りまわされている。
おまけに、たいていの人には家庭内での仕事も待っている。
楽しい仕事もあれば、はっきりいってそうは思えないような仕事もある。
それでもとにかく、どれもこなさなければならない仕事だ。
そこで、こんな疑問が生じてくる─いつになったら自分のための時間が手に入るのだろう?
朝寝坊したり、詩を読んだり、とにかく自分のしたいことをしたりするための時間は、いつめぐってくるのだろう。
そんな嘆きの声は全国共通だ。「お願いだから、もっと時間をちょうだい」ところが悲しいかな、たいていの人間がたどりつく答えはこれだ─余分な時間などない。
わたしたちは現代社会の容赦ないプレッシャーにがんじがらめにされ、宝くじでもあたるか、リタイアするその日まで辛抱強く耐えるかしないかぎり、そこから逃れる手だてはない。
さらなる時間が手に入らないとなれば、せめて二番目の目標くらいは達成したいものだ。つまり、バランスだ─家庭と仕事に割く時間を、もう少し等分に近づけたい。
表面的には、ごく控えめな願望に見える。
報酬のあるなしにかかわらず、仕事をもう少し減らし、愛する人やわたしたち自身のための時間がもう少しほしいといっているだけなのだから。
あくせくするのではなく、心の平穏を感じる時間。
緊張ではなく、よろこびを感じる時間。
いらだつのではなく、感謝する時間。
生活にバランスを求めるのは働く女性にかぎった問題ではないし、働く親だけの問題でもない。
ありとあらゆる人が抱える問題だ。結婚していようがいまいが、子どもがいようがいまいが。
仕事のプレッシャーが増し、職場環境の安定性が低下し、世界市場の競争が激化するにしたがって、わたしたちはさらに仕事に没頭してしまう。
働く時間が長くなるだけではない。
電子通信機器携帯電話、ノートパソコン、Eメール、ボイス・メールーで身を固め、どんなときでもデジタル化された要求を突きつけられる権利を他人に与えてしまっているのだ。
とどまることを知らない会社の期待に沿おうと四苦ハ苦するうちに、わたしたちは魂を枯渇させてしまう。
魂が枯渇すれば、仕事にもからだにも、自分を頼りにしている人間にも、栄養を与えられなくなる。与えるものなどなにひとつなくなってしまうのだ。
この本の目的は、そんなあなたに逃げ道を教えることだ。
現在あなたが送っている生活をじっくり見直して、もっと幸せになるにはどこをどう変えたらいいかを考えてもらいたい。
ただし本書は社会学的な学術書ではない。
ここに書かれていることは、わたし自身がバランスを求めて試行錯誤
をくり返していた十三年間に学んだことばかりだ。
職場の同僚から聞いた話もあれば、友人から聞いた話や、本で読んだ話、そしてバランスの取れた生活についてわたしが開いているセミナーの参加者から聞いた話もある。
そうした教訓をこの本にまとめることで、理想に少しでも近い生活をあなたに築いてもらえたらと願っている。
ただし、この本があなたの生活を変えることはできない。
あなたの生活を変えることができるのは、あなただけだ。この本を読んで、自分の姿を客観的に見ることができれば、思ったとおりの生活を送るにはどこをどう変えたらいいか、わかってくるだろう。

本文P.14〜16より引用

 

 
 


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