海馬 脳は疲れない
著者
池谷裕二/著 糸井重里/著
出版社
朝日出版社
定価
本体価格 1700円+税
第一刷発行
2002/06
ISBN 4-255-00154-5
あ、アタナのよくなる薬を本当に見つけてしまいまった。 大好評、増刷中!

明るくなれる脳の話。失敗や失恋が頭をよくする。「自分の頭は十分に使われていない」と感じたことはありませんか? どんな年齢でも、この本で「脳は使い尽くせる」と気づけば、才能はいくらでも伸ばせます。

■目次
第1章 脳の導火線;第2章 海馬は増える;第3章 脳に効く薬;第4章 やりすぎが天才をつくる

第一章のはじめに

「自分はある時は利口なんだけど、別のある時にはバカになっていると思う」
「いろんな問題をスカッと解決できたら、さぞかし気持ちがいいだろうなあ」
「マラソンで体力をつけるように頭をよくするエクササイズはないものか」
そんなことを感じたことのある人は、多いと思います。
「できたら利口でいたいけど、利口すぎるのは不幸かもしれない」
「バカでもしあわせだし、バカだからしあわせ」
「頭がいい人は勉強や仕事で忙しいだけだからうらやましくない。モテない」
一方で、こんなことを思った人も、いることでしょう。

[俺以外は、バカばっかりだ!」
「ああ、わたしはバカだ。もう、あきらめるしかない」
こんなことだって、案外みんなが思っているものです。
しかし、頭がいいとか悪いとかということは、お勉強ができるとか、難しいことをよく知っているということとは違います。
「こまやかな気配り」「いざという時の適切な対応」「おもしろい遊びの発見」「的確な状況判断」……というようなことを自然にできる人がいると、周囲の人たちは「あの人は頭がいい」と言います。
いろんな場面で表現される「人の思い」は、頭のはたらきの結果です。
それは、すべて脳から生まれています。
しかも、ほとんどすべての人間の脳の力は、二%しか使われていないのです。
頭をよくすることは、
〈よりよく生きたい〉
よく生きることにつながっているはずだ。
という望みが、〈より頭をよくしたい〉という思いを生む。
そういう観点で、この本はつくられました。
悩の研究者の泄谷裕二さんと、コピーライターの糸井彊里さんの対話の中から、
「よりよく生きる」ことと「より頭をよくする」ことのつながりを見つけていこうと思います。
池谷さんは現在三一歳。東京大学薬学部の助手で、九八年に博士号を取得した新鋭の学者です。
ふだんは学生の実験の指導や講義を担当しながら、脳の「海馬」という部分についての研究に明け暮れているそうです。
この対談がおこなわれた時期も、学会での発表の準備中でした。
糸井さんは現在五三歳。インターネット上の新聞で、毎日五〇万を超えるアクセスの『ほぽ日刊イトイ新聞(http://www.1101.com/)』を主宰しています。
以前に雑誌の対談で、池谷さんが「頭のいい状態」「頭がはたらいていない状態」という言い方をしていたことに関心を持ったそうです。

(本文P.9〜11より引用)

 
 


このページの画像、引用は出版社、または著者のご了解を得ています.

当サイトが引用している著作物に対する著作権は、その製(創)作者・出版社に帰属します。
無断でコピー、転写、リンク等、一切をお断りします。

Copyright (C) 2001 books ruhe. All rights reserved.