日本よ
著者

石原慎太郎/著

出版社
産経新聞ニュースサービス
定価
本体価格 1238円+税
第一刷発行
2002/11
ISBN4-594-03765-8
祖国よ。目覚めよ!国家危急存亡のときに、あるべき姿を 解き明かす日本再生の書

 産経新聞紙上にて都知事就任直後の1999年11月より現在まで月一回ペースで連載中の石原慎太郎著「日本よ」が、いよいよ待望の単行本化。本連載は、石原氏がその忌憚ない意見、真意を自らの筆により読者に伝えていくリアルタイムの政治ドキュメント、あるいは政治哲学の開陳の場として、各方面より暑い注目を浴びてきました。
 この三年余におけるさまざまな社会的、政治的事事件。石原氏は、それらを招いた理由の根底に、一貫して歴史的な自覚の喪失を見て取っています。
 今回の拉致事件における国や外務省の曖昧な態度はもとより、不審船事件、金融機関の不祥事、同時多発テロへの対応……。時に怒り、また時には深い諦観を湛え、石原氏は常にきわめて現実的に、且つ矜持に溢れて、日本という国のあるべき姿を説くのです。
 また、この本は、石原氏が日々の激務のなかで、どのように新鮮なプランを発想し、どう実現に立ち向かっていったかを示す貴重な記録ともなっっているのです。
 今後の動向も注目の的の石原慎太郎を知るにもっともふさわしいこの一冊を、ぜひお読みください。

 

石原慎太郎(いしはらしんたろう)

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1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、在学中に執筆した「太陽の季節」で第1回文學界新人賞を、翌年には同作品にて芥川賞を受賞。著書に『亀裂』『完全な遊戯』『化石の森』(芸術選奨文部大臣賞受賞)『光より速きわれら』『刃鋼』『生還』(平林たい子賞受賞)、その他にも『弟』『老いてこそ人生』、また『法華経を生きる』『聖餐』など多数。68年より国会議員として計25年勤めた後、99年より東京都知事に就任。

自分で決めることの出来ぬ国

もうじき紀元二千年の大台、そして再来年は新世紀二十一世紀の始まりとあいなる
わけだが、世にいうミレニアムなんぞよりも私には自分の過ごしてきた六十年余の過去の方がよほど劇的だったような気がする。
中世だったら二、三百年はかかったろう変化を一生の内に味わってきたのは、人間として、多分幸せだったといえるのだろう。
戦前、戦中、戦後とは簡単にいうが、特に戦後は敗戦後のあの荒廃から復興、発展、そして高度成長の結果のある意味での頂点、そしてさらに、それからの衰退の今日。
その途上に、近代と呼ばれた歴史は文明の大きな変化とともに歴然として終わり、近代の延長ならざる、明らかに新しい文明が支配する現代の中に私はいる。

(本文P.7より引用)

 

 
 


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