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「四十七人の力士」新京極夏彦
時は元禄十五年十二月十四日。深夜、本所の吉良邸に向かう面妖な集団があった。地響きとともに歩むその集団は、まごうかたなき「おすもうさん」たち。総勢四十八人である。ピンク色に上気した力士たちは、なぜ吉良邸に向かっているのか? 突然の力士たちの「来襲」に、吉良邸を守る武士たちは驚くが……。
「パラサイト・デブ」南極夏彦
サイエンス・ライター松野秀輔と、担当編集者猫塚留美子は、凍結ミイラの取材に出かけることになった。縄文時代の人体が発見されたというのだ。それも、ただの人体ではない。身長2メーター以上の巨人であるという。超ド田舎の田力村に着いた二人が見たものは……。
「すべてがデブになる」N極改め月極夏彦
作家南極夏彦通称簾禿げのもとに届いた一通の手紙。そこには、天才科学者目方博士が、研究室にこもったきり半年も出てこないと書かれていた。すわ、謎の密室殺人事件!?
色めき立った担当編集者椎塚と南極の一行は、博士の研究所へ向かうが……。
「土俵・でぶせん」京塚昌彦
今から五十年前。「呪われた小説」と呼ばれた作品があった。その作品の載った同人誌を手に入れた作家吉良公明は、担当編集者色部にその小説の恐ろしさを語り始めるが。「悉く肥え太る」というその作品の呪いとは? そして読んだ者の運命とは?
「脂鬼」京極夏場所
村は肉襦袢で囲まれていた──。雪崩のために交通網が完全にストップしてしまった山奥の村。すべての連絡が閉ざされて一カ月がたとうとしていた。病で死んだ老人たちの遺骨が消失する、という事件が起こる。人が死に、三日間供養をしないと死体が甦る……という伝説のある村で、いったい何が起こったのか?
「理油(意味不明)」京極夏彦
「脂鬼」というくっだらない小説を、自分のペンネームと酷似した名前の人間に書かれてしまった「私」。「私」はこの作者を突き止めるために周囲の人間を調べるが、どうも担当編集者があやしい。彼女を問い詰め、やっと作者の正体を突き止めたまではよかったのだが……。
「ウロボロスの基礎代謝」両国踏四股
小説家京極夏彦が失踪した! 担当者のひとり宇山の証言によると、力士たちにさらわれていった、という。途方にくれた担当編集者たちは一同に会して善後策を協議しようとするが、全然まとまらない。困り果てた集英社の遅塚は、窮余の一策、ミステリ作家たちを一同に集めて、京極失踪の謎を解こうとするが──。
以上、七篇を収録。
さらに解説(梅)は…
喜国雅彦改め喜ょう国夏さ彦さん…なのであります。
