宗男の言い分
著者

鈴木宗男/述〕 歳川隆雄/著 二木啓孝/著

出版社
飛鳥新社
定価
本体価格 1500円+税
第一刷発行
2002/07/15
ISBN4-87031-513-0
逮捕直前、沈黙を破り全激白!

逮捕直前、沈黙を破り全激白!
インタビュアー・歳川隆雄/二木啓孝
「何度も繰り返しますが、彼ら外務省が僕の所に来たんですよ。予算をとって下さい、ODA予算はお願いします、定員もよろしくお願いします、と」――。
中川一郎自殺への関与疑惑に始まり、北方四島返還問題、ディーゼル発電機施設疑惑、ケニアの水力発電建設疑惑、「ムネオハウス」疑惑、ムルアカ秘書偽造旅券疑惑……と数々の疑惑に包まれた男への25時間におよぶ、独占ロングインタビュー!

私たちはなぜインタビューをしたのか

二木啓孝

鈴木宗男衆院議員へのインタビュ−は合計二十五時間に及んだ。
第一秘書や、外務省の官僚らが次々と逮捕され、本人へのマスコミ取材攻勢が激しくなる中、鈴木氏は、時に雄弁に、時に激昂し、時に目を潤ませながら、私たちの質間に答えてくれた。
いわゆるムネオ疑惑が噴出したのは、今年二月二十日、衆院予算委員会の参考人招致がスタートである。
当初は、田中真紀子・元外相との対立関係、NGOへの恫喝問題など極めて限定されたムネオ疑惑だったが、野党が「ムネオハウス」問題を取り上げたのをきっかけに、さまざまな疑惑が報じられることとなった。
鈴木氏は、三月十一日に予算委員会での証人喚問を受け、三月十五日に自民党を離党。
国会では野党が「議員辞職勧告決議案」を要求し、マスコミ報道もムネオ疑惑一色だったといってもいい。
鈴木氏がインタビューに応じた理由については本文を読んでいただくとして、私たちはなぜインタビューを行ったのか。
その基本的な立場を明らかにしておきたい。
ある野党の調査スタッフがカウントしたところによると「ムネオ疑惑」と名前がつく事柄は七十三あるという。
その中には「北方海域で操業する漁船はムネオと書いた旗を掲げれば拿捕されない」というマンガのようなものまで含まれているから、そのまま鵜呑みにすることはできないが、内政、外交、さらに政治のあり方そのものに関わる疑惑も多い。
そして私たちも、それらの疑惑を取材してきた。
その過程で、いくつかの新たな疑問が生まれた。
アトランダムに列記すればこうだ。
外務省はなぜ内部の極秘資料をリークしたのか。
その中には改ざんまでして野党に流したものまである。
疑惑発覚後に公表した調査報告書には、外務省が鈴木氏に壟断され、支配されていたことが綴られているが、それほどウブな組織なのか。
「疑惑の総合商社」と報じられた鈴木氏は、なぜそこまで”頑張って”きたのか。
秘書として仕えた中川一郎氏の死後、その地盤から出馬したときから“オヤジ殺し”の十字架を背負ってきた政治活動はどんなものだったのか。
そして、なぜロシア外交なのか、なぜアフリカ外交なのか。
「ムネオ疑惑」と言われ、司直がメスを入れた事件は、鈴木氏に限らず、自民党の政治構造そのものではないのか………。
その意味では、私たちの関心は、報じられた疑惑の、もう一枚めくったところの事実にあったといってもいい。
そして、これは当事者に聞く以外にはないのである。
もとより、政治家とジャーナリストの立場、視点は違うから、インタビューでは議論のかみ合わない部分もあったし、最後まで納得がいかないポイントもあった。
しかし、鈴木氏が一連の疑惑について、何を考え、どう反論しているかは明らかになったと思う。
そして、その当否は読者の判断にゆだねたい。
(本文P.1,2より引用)

 
 

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