第二ステージ どのタイプの投資家になりたいか?
「九十対十の謎」とは何か。
「八十対二十の法則」という言葉を耳にしたことのある人は多いと思う。
これは、努力の二十パーセントから成果の八十パーセントが得られるという法則だ。
イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートが一八九七年に考え出したこの法則は、「最小努力の法則」とも呼ばれている。
金持ち父さんは八十対二十の法則がほぽすべての分野における成功に当てはまると思っていた。
ただ一つの例外は金銭的な成功だった。
お金に関して金持ち父さんが信じていたのは「九十対十の法則」だった。金持ち父さんは十パーセソトの人が九十パーセソトのお金を所有していることに気がついた。
映画の世界では十パーセントの映画スターが九十パーセソトのお金を儲けている。
プロのスポーツ選手にも、ミユージシャンにもこの法則が当てはまる。
投資の世界も同じだ。金持ち父さんが「平均的であるのをやめなさい」とアドバイスしたのはこのためだ。
最近のウォールストリート・ジャーナルに、この金持ち父さんの考えを裏づけるような記事が載っていた。
そこには、アメリカの企業の株式の九十パーセントが、人口のわずか十パーセントの人々によって所有され
ていると書かれている。
本書では、この十パーセントに属する投資家がどうやって九十パーセントの富を獲得したか、そして、あなたが同じことをできるようになるにはどうしたらよいかについてお話しする。
「九十対十の謎」
でいただきたい。
についてもっと詳しく知りたい人は、まず『金持ち父さんの投資ガイド入門編』
を読ん
第一章
九十対十の謎を解く
「投資家には、資産を買う投資家と、資産を作り出す投資家がいる。もし九十対十の謎を解き、十パーセソ
トの一人になりたかったら、両方のタイプの投資家になる必要がある」金持ち父さんはそう言った。
『金持ち父さんの投資ガイド入門編』の中で、金持ち父さんとマイクと私の三人で、金持ち父さんが賢っ
たばかりの、海沿いのとても高価な不動産を眺めながら、砂浜を歩いた時の話をしたのを覚えているだろう
か?
私はあの時、金持ち父さんに、貧乏な自分の実の父には買えないのに、どうしてそんなに高い土地が買えたのかたずねた。
金持ち父さんの答えはこうだった。
「私にだって買えないさ。私のビジネスが買ったんだよ」
私の目に映ったのは、乗り捨てられたポソコツ車が何台かと、半分くずれかかった建物が一つ、たくさん
の藪と瓦礫、それに、土地の真ん中に突き立てられた「売地」という看板だけだった。
十二歳の私には、その土地にビジネスの姿を見てとることはできなかった。
だが、金持ち父さんにはそれができた。
あの時、金持ち父さんの頭の中ではビジネスが新たに作られつつあった。
そして、頭の中でビジネスを作り出すというこの能力こそが、金持ち父さんがその後ハワイ一の金持ちの一人になった理由だった。
つまり、金持ち父さんは、別の資産を買ってくれる資産を作り出すことによって、九十対十の謎を解いたのだ。
この投資プランは金持ち父さんだけのものではない。
お金の九十パーセソトを儲けている十パーセソトに属する人の大部分が使っている。
それは昔も今も、そして将来も変わらない。
『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだ人は、私の友人が出席したMBAの講座で、マクドナルドの創業者レイ・クロクが「私のピジネスはハンバーガーを売ることじゃない。不動産業だ」と言った話を覚えているかもしれない。
この場合も、金持ち父さんの方式と同じ、ほかの資産を買ってくれる資産を作り出す方式だ。
そして、この方式こそが、マクドナルドが世界中で最も価値の高い不動産を所有している理由でもある。
それはどれもプラソの一部だったのだ。
また、私が真剣に金持ちになりたいと考えていることを知ってから、金持ち父さんが次のように何度も私に言って聞かせた理由もここにある。
「もし九十対十の謎を解き、十パーセントの一人になりたかったら、両方のタイプの投資家になる必要がある。つまり、資産を買う方法を知っている人間になると同時に、資産を作り出す方法を知っている人間になる必要がある。
一般的に言って、平均的な投資家は投資に二つのプロセスがあることに気がついていない。
それに、どちらのプロセスも得意じゃないんだ。
ふつう、平均的な投資家は、きちんと書かれたプランさえ持っていない」
|