リトル ターン
著者
ブルック・ニューマン/作 五木寛之/訳 リサ・ダークス/絵
出版社
集英社
定価
本体価格 1400円+税
第一刷発行
2001/11/13
ISBN4−08−781256−1
ぼくは再び飛んだ! これは報酬や罰、暴力や悪意についての本ではない。自分を信じることと、些細でも、われわれにとって真に重要なことを見出す シンプルで優しい物語である。

ターン」はきっと、30年を経た「ジョナサン」の再来だ。そう感じさせるほど、この短い物語は不思議な魔力を持っている。一人ひとりの心の奥にしみ込んでくるのだから。新しい「寓話の誕生」に乾杯!

 


これは、いっぷう変わった小さな鳥の物語である。
思うに、鳥にはそれぞれに特徴があって、疑いなく一羽一羽がすぐれた存在であるといっていい。
しかし、この物語の主人公である鳥は(あえて言わせていただけるなら)ほかとはくらべようもないほどユニークな鳥なのだ。
ここに登場する鳥は、一羽のターン(アジサシ)である。
もう少しくわしく説明すれば、リトルターン(コアジサシ)という。
このリトルターンは、小さな痩せた鳥で、アクロバット的な飛行技術において特にすぐれており、その生涯の大半を空中ですごす。
彼らは海や、内陸の川や湖の上空を、舞いあがり、ダイビングし、矢のように飛び、翼をはばたかせて空中に停
止する。
リトルターンは、長くほそい翼と、深い切れ目のはいった尻尾で識別できるが、そのくちばしは黄色く、額に白い楔形の紋様があるのが特徴だ。
また短い脚部と小ぶりな足とは、地上に長くとどまるようにはデザインされておらず、要するにリトルターンは、陸の見物客ではあっても、あくまで空の住人なのである。
ここで語られるのは、このような小さなリトルターンの一羽が直面した一風変った内面の戦いについての物語だ。
この物語に耳をかたむけているあいだ、皆さんがたは、ぜひ次のようなことを念頭においていただきたい。
アジサシという鳥の真の本質は、思うがままに空を飛翔
する能力にあり、また、惑星のかなたに描かれた見えない真理を悟る直感力をもつ点にある、ということを。
そのことを頭に入れておけば、このアジサシが直面している難局が、より良くおわかりいただけるにちがいない。
というのも、彼(今回の主人公のアジサシ)は、なに
か不思議な理由から、飛ぶという能力を失ってしまったからだ。
これは彼が、そのようなとんでもない出来事をどう切り抜けたか、その奇妙な旅についての物語である。
すべてのものが逆転して見え、とっくに知っているつもりのことがじつは全然わかっていなかったなどという状況は、それこそ誰にとっても大問題ではないか。
ではこれから、われらが主人公リトルターンが、失った大事なものをどのように取りもどすにいたったか、その冒険について語ることにしよう。

本文P.3、5より引用

 

集英社 オフィシャル HP

 

 

 

 

 

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