格調と迫力 名句・ことわざ366日 ビシッと決めることばの使い方
著者
野末陳平
出版社
講談社+α文庫/講談社
定価
本体価格 880円+税
第一刷発行
2001/06/20
ISBN4−06−256527−7
重々しく深みのある言葉!!その場を唸らせる言い方!!

「こんなに重々しくて深みのある言いまわしがあったんだ!」この本は一年366日、労せずしてボキャプラリーがふえることばの宝箱。ことわざ、格言、俗諺はもとより、名言、名文句、四字熟語に至るまで網羅。会話や文章に、自己表現の幅が大きく広がります。「どうも毎日マンネリで、ビシッと決まらない」と思っているあなたは知識を深めつつ、コクのある使える言いまわしを、本書でぜひマスターしてください。

 

監修者まえがき

本書を手もとに置いておくと、一年じゅう役に立つこと受けあい、一年三六六日、毎日ひとつずつ、新しいフレーズや味のある言いまわしを覚えることになります。
いや、ひとつ以上かもしれません。なにしろ一ぺージに、似たような表現がいくつも網羅されていますから、労せずしてボキャブラリーがふえる仕掛けです。
「これは、便利だ。物知りになるし、会話や文章がビシッと締まるぞ」
とぼく自身が痛感しました。諺、格言、俗諺はもとより、名言、名文句から四字熟語に至るまで、いままで知らなかった言葉が次から次に出てきて、
「こんなに重々しくて深みのある言いまわしがあったんだ。こんなに味のある新鮮なフレーズははじめてだ。古めかしいとバカにしていた名文句が現代人の会話や文章で生き返るぞ。自らの無学を恥じる思いだ」
オーバーにいえば、こんなところです。
中国の古典からの引用は、「一将功成りて万骨枯る」
「天網恢恢疎にして漏らさず」
これらをはじめ、実にもりだくさん。かと思えば、現代人を元気づけるような教訓的な言いまわしも、
「明日はまだ手付かず」
「朝夕の食事はうまからずとも褒めて食うべし」
など、けっこう多い。
皮肉な人生訓も、週に一度ぐらいの割合で現われます。
「医者を持つより料理人を持て」
「希望は起きている人の夢にすぎない」
「女ならでは夜も明けぬ」
「死ぬ死ぬと言う者に死んだ例なし」
こうなると、日常会話に挟みたくなりませんか。
いつもより印象にのこる自己表現ができるはずです。「温故知新」ではありませんが、日本語ならではの、言霊の強さのようなものを感じます。
もちろん、欧米の名言も少々集めてありますが、全体的には、東洋人の知恵の集積がエッセンスです。
だから、現代に通ずる苦笑とおとぼけの表現にも、こと欠きません。
「男は天下を動かし、女はその男を動かす」
「男に似たる女はなけれど、女に似たる男は多し」(とはいうものの、男以上に強い女性がふえてきましたね)
「碁で勝つ者は将棋で負ける」
こういう、辛口の言いまわしを文章や会話に活用すると、それこそビシッと決まり全体が締まります。
「あいつの話は一味ちがってきた」
「ワープロで打った無味乾燥な文面が、生き生きしてきた」
なんて相手に思わせたら、仕事も人間関係もうまく展開すると思いませんか。
一日一語のような形式でまとめてはありますが、毎日、いくつかの類似表現を紹介してありますので、
「どうもオレの話や文章はマンネリだ」
と思う読者は、ちょいと目先を変えてみることもできます。
自画自賛すれば、本書は使いかた次第で、絶対に期待を裏ぎらない実用書になると、監修者としては自負しているのです。
「日本人はいま、自信喪失、目標喪失、方向性喪失という具合に、世界一の弱気人種になりかかっているが、こういうときこそ、先人たちの知恵やウンチクは学ぶべきではないだろうか」
そんな思いから、一見古めかしい日本語にまで手を広げ、"格調と迫力のことば"を一年三六六日に分類してみました。
能書きは、このくらいにしておきましょう。人を動かすのは言葉であり、自己表現の上手下手が仕事の成否をきめます。
知識を深めつつ、コクのある使える日本的言いまわしを、本書でマスターしてくだされば、監修者の目的は達せられます。

野末陳平

 

 

 

 

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