■目次
１　魔法族列伝―キャラクター研究；２　ホグワーツ魔法魔術学校の研究；３　魔法界・ライフスタイルの研究；４　「コチコチ」マグル界の新発見；５　ハリー・ポッター体感的イギリス案内；エンサイクロペディア＝ポッタリカ―ハリー・ポッター事典

■要旨
『ハリー・ポッター』はもちろんストーリーを楽しむだけでもかまわない。しかし、それだけではもったいない。『ハリー・ポッターシリーズ』にはたくさんの秘密の鍵が隠されていて、それを見つけ出した読者にはまたさらなる秘密の扉が開かれるからだ。本書は、映画公開でますます気分が盛り上がってしまったにもかかわらず、続編までしばらく待たなくてはならないハリー・ポッター中毒者・ポッタリアンへ捧げる一冊。

ほじめに

『ハリー・ポッター』を研究目的で読むことは非常に楽しいことである。
もちろんストーリーを楽しむだけでもかまわない。
しかし、それだけではもったいない。
『ハリー・ポッター』シリーズにはたくさんの秘密の鍵が隠されていて、それを見つけ出した読者には、またさらなる秘密の扉が開かれるからだ。
ローリングさんは最初から物語を奥深くするため、自分の想いを込めるために、たくさんの大小のキラキラした鍵を隠している。
それに気づいたらあなたも立派なポッタリアンだ。
一度迷い込むと抜け出せない「ポッタリアン道」へようこそ。
たとえば本書でも取り上げた、ハリーとローリングさんの誕生日が一緒だということにどんな意味があるのだろうか？
おなじみのキャラクターたちの暮らしは？
舞台となったスポットははたしてイギリスのどのあたりにあるのだろうか？
などなど、そうした小さな秘密を解き明かすことで、私たちファンはもっともっとこの物語が好きになっていく。
何度でも本をひらいて夢中で読むことができる。
その秘密の扉の奥にあるものは、ローリングさんの思いや語学や歴史の知識、本家イギリスのファンタジー小説の約束事であったりする。
それらを理解することで私たちは、ハリー・ポッターを通してまた新たな世界を獲得することができるのはないだろうか。
マニアと言われようが、好きなものについて全てを知りたいと思うのは当然の感情だし、知ることによってまた
愛着も深まるのだ。
また現在の時点で全七巻中四巻まで出版され(日本語版は第三巻まで)おおよそ中間地点いるということも今後への期待や憶測や妄想を生み、研究熱を高める一因だともつけ加えておく。
おそらくローリングさんは、一流の作家であると同時に一流の読者なのだろう。
どうしたら私たち読者がくすぐられるかお見通しで、そのために多くの知識と自在な想像力を駆使して物語をつむいでいる魔法使いなのだ。
本書は、映画公開でますます気分が盛り上がってしまったにもかかわらず、続編までしばらく待たなくてはならないハリー・ポッター中毒者・ポッタリアンヘ捧げる。
ハリー・ポッターシリーズを何度でも、いろいろな角度から楽しむために本書が役立てば幸いである。
こんなに夢中になれる物語に出会えたこと、多くの人とこの気持ちを共有できるというこの幸運を、作者であるJ・K・ローリングさん、日本語版翻訳者松岡佑子さん、この本を手にとってくださったみなさんに感謝したい。

ワールド・ポッタリアン協会

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