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オサマ・ビンラディン
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著者
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エレーン・ランドー | |||||
出版社
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竹書房 | |||||
定価
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本体価格 980円+税 | |||||
第一刷発行
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2001/11/01 | |||||
ISBN4−8124−0818−0 |
個入対国家の戦争 1998年8月20日、木曜日。5隻のアメリカ軍艦艇がアラビア海と紅海で配置についていた。これから「無限の広がり」作戦と名づけられた奇襲攻撃が開始される。アメリカは軍事行動にそれぞれ名前をつける習慣がある。例えば92年のソマリア上陸は「希望回復」作戦、今回のニューヨーク・ワシントン同時爆肇件の報復行動は「不屈の自由」作戦とよばれている。 「無限の広がり」作戦を通じて80基を超える巡航ミサイル、トマホークが、アフガニスタンとスーダンの戦略目標に向けて発射された。このときアメリカ軍が標的にしたのは、国家でも、紛争中の民族や集団でもなかった。アメリカ合衆国が攻撃しようとしたのは、はるかにとらえ所のない敵だ。世界一の超大国アメリカは、国際的テロリストであるオサマ・ビンラディン個人と、テロリズムそのものに向けてミサイルを発射したのである。 「無限の広がり」作戦は、その2週間ほど前の8月7日に起こったケニアとタンザニアのアメリカ しかし、爆撃の数日後にはコーエン国防長官が失敗を認め、ビンラディンの支援者達は彼の無事を喜び、98年8月20日は彼らのリーダーにとって生涯で最も幸運な日であったことを初めて明らかにしたのである。 もしも、この木曜日の決定的ともいうべき日程を突然延期していなかったら、爆弾が落ちてきたときに、全員でのんびりと食後のアラビアコーヒーをすすっていたかもしれなかったのだ。 アメリカの外交官や職員が飛行機で出国したという報告は、攻撃の前日までには彼のもとに届いていたという。 オサマ・ビンラディンは、アメリカが全世界に指名手配して追いかけている、世界で最も危険なテロリストだといわれている。 中央情報局(CIA)によると彼は90年代の半ばから、世界のほとんどすべての主要イスラムテロ組織とつながりをもつようになったようだ。 オサマ・ビンラディンとは何者なのか。 支持者達からは宗教的英雄とみなされる一方、彼は信用のならない殺人者だと思う人々もいる。 サウジアラビア出身の億万長者でありながら、富や快適さを捨て、国際的な「聖戦」でイスラム戦士達を率いている。 その動機は宗教的信念だと、ビンラディンは主張する。しかし、信仰と法律を重んじる世界中の人々にとって、彼の考えはしばしば理解しがたいものに思える。 それを検討することなしに、彼を理解することはできない。 それまでにどのような経緯があったのか。 |
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