![]() |
||||||
イブの七人の娘たち
|
||||||
著者
|
ブライアン・サイクス | |||||
出版社
|
ソニー・マガジン | |||||
定価
|
本体価格 1600円+税 | |||||
第一刷発行
|
2001/11/10 | |||||
ISBN4−7897−1759−3 |
プロローグ わたしはどこから来たのだろう。 しかしほとんどの人の場合、それ以上さかのぼると、その痕跡は霧のなかへ消えてしまう。けれど誰でも、からだのあらゆる細胞のなかに、祖先から受け継いだメッセージを運んでいる。 遺伝学テクノロジーの進歩のおかげで、いまその歴史が明かされようとしている。 風雨に腐食されることもなく、火事や地震でくずと化すこともない。 その遺伝子を通じて、遥か昔、文書の記録や石に刻まれた碑文が登場するずっと前の時代まで、祖先をたどっていけるのだ。そうした遺伝子は、十万年以上も昔にはじまったひとつの物語を語ってくれる。 これは同時にわたし自身の物語でもある。 そして驚いたことに、われわれは全員、母親を通じて、何万年も昔に暮らしていたほんのひと握りの女性たちとつながっていることがわかったのだ。
きっかけは五千年前に死んだ「アイスマン」の発見
ところが一夜明け、燦々と輝く太陽を目にしたふたりは、標高三千五百十六メートルのフィナイルシュピッツェに登ってみることにした。 薄気味悪いことではあるが、アルプスの高地ではそうした発見物はそうめずらしいことではない。 その道具の様式から考えて、この転落事故が起きたのはかなり昔のことのようだった。 死体のわきに落ちていた道具は、現代のアイスピックというより、大昔の斧に似ていた。 そうなるとその死体は、国際的な重要性を持つ考古学的発見ということになる。 |
|||
|
このページの画像、本文からの引用は出版社、または、著者のご了解を得ています。 Copyright (C) 2001 books ruhe. All rights reserved. 無断でコピー、転写、リンク等、一切をお断りします。 |