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経済のニュースがよくわかる本
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著者
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細野真宏 | |||||
出版社
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小学館 | |||||
定価
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本体価格 1400円+税 | |||||
第一刷発行
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2001/08/10 | |||||
ISBN4−09−397461−6 |
まえがき 前作の「日本経済編」を出版してから、1年半が経ちました。 中でも、何人かの小学生からもらった"この本のおかげで新聞やニュースを見るのが楽しみになった"という感想には、正直言って驚いてしまいましたが、「キチンと"全体像"を理解させることができれば、小学生でも毎日の"断片的な情報"を判断できるようになるんだな」と改めて認識することができました。 また、何千という手紙の中で特徴的だったのは、「銀行や証券会社などに勤務されている、いわゆる専門家の方」と「60才以上の方」の割合が非常に高かったことです。 いわゆる「専門家の方」の感想で最も多かったのは"自分が今まで分かったつもりになっていたことがよく分かった"というもので、「60才以上の方」の感想で最も多かったのは"今さら人には聞けないと思っていたことが本当によく分かった"というものでした。 僕は以前から、世の中に溢れている情報がとても表面的で断片的であることに不満を持っていて、「こんな情報ばっかりだったら恐らくほとんどの人は"よく分からない"か"分かったつもりになっている"んだろうな」と思っていましたが、まさに、そのことを裏付けるような感想だったのです。 僕は普段、大学受験生を対象に数学を教えたりしているのですが、そこで痛感していることは、(恐らく世間で認識されている以上に)「人によって"分かった"の基準が違う」ということです。 つまり、10人いたら"10通りの「分かった」"が存在し、10人がすべて「分かった」と言っていても、実は正確に情報を理解し本当の意味で"分かっている"のは1人しかいなかったりするのです。 その結果、世の中には、ますます“分かったつもり"(か"よく分からない")が増えてきているように思われます。しかし、断片的な情報を“分かったつもり"になって判断していると「なんとなく」という感覚が思考の大半を占めてしまい「感情論」に走ってしまいがちです。<P.211参照 これから日本が大きく構造を変えようとしているときに、「感情論」が大勢を占めてしまったら、取り返しがつかないような方向に進んでしまう危険性が高まってしまいます。 しかし、「自己責任」が問われる一方で、金融に関する教育はまったくと言っていいほど行われていないという大きな制度上の欠陥も抱えています。 この本をきっかけに少しでも経済や政治問題に興味をもってもらえたらうれしく思います。 最後に、 横山薫君、竹蓋将人君、永野智己君、河野真宏君、菊地博隆君、盛裕介君、力丸健太郎君、今井美絵子さん、井出郷子さん、市村有貴江さん、筥崎暁子さん、飯塚こず恵さん、富坂亮君にはすべての原稿を読んでもらい多くの貴重な助言を頂きました。 本当にありがとうございました。 そして、日本経済新聞社の福田秀和氏には「日経ネット」の連載時から、資料集めやいろいろな内容の相談に乗って頂きました。 特に、この2人の手助けがなければ、この本が出来上がるのはまだまだ先になっていたことでしょうし、これほど満足のいくものには仕上がらなかったと思います。 細野真宏
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