藤原主義 強く、美しい人になる61のヒント
 
  恋も仕事も人生のおパワーに変える もっと楽しく、もっと美しく、あなたもできる ノリカの習慣  
著者
藤原紀香
出版社
幻冬舎
定価
本体価格 1400円+税
第一刷発行
2001/08/20
ご注文
ISBN4−344−00100−1

1
感動に敏感な女でいたい

子どもの頃から、自然が織り成す四季折々の変化が楽しみだった。
春にはツクシを摘んで帰ると、母がさっそく煮てくれて、夕食のおかずになった。

夏になると、兵庫の山奥のキレイな川のほとりに、毎年ホタルを見にいった。
年々、環境破壊でその数は減っていったけれど、夜の川辺に一面に花が咲いたように光が集う光景を今も思い出す。

近年、ニュースで都内のカブト虫の値段が高騰していると聞いて驚いた。
なぜなら、私が子供の頃は、夜のうちに近くの山のくぬぎの株に蜜をぬりにいき、朝四時に起きて、父や弟と連れ立って寝ぼけ眼で見にいくと、そこには、オオクワ、コクワ、ノコギリなど何種類ものカブト虫やクワガタが山のように蜜にたかっていたから。

その秘密の場所が誰かに知られて先を越されてないかと、通うたびにドキドキしたっけ。
秋は焼き芋。

庭掃除をした後、集めた枯れ葉のなかに、アルミホイルで包んだジャガイモとサツマイモを入れて、焚火をすること数十分。
焼きたてのジャガイモにバターをぬり、ハフハフ食べたときのえもいわれぬおいしさといったらなかった。

一年を通して天気のいい日には家族で釣りを楽しんだ。
ふかしたジャガイモでえさを上手に作るのが父の自慢だった。

それを「すいこみ」という鯉釣り用のハリにぬりつけて家の近くの武庫川で鯉釣りに挑戦した。
大物がかかったときは有頂天になった。

時には船で淡路島の沖まで出た。
海釣りは何が釣れるかわからない楽しみがあるので、子ども心にワクワクしたっけ。

大学に上がる頃にはやや上級者用のルアーの使い方を父に教わり、喜び勇んで琵琶湖や河口湖にバス釣りにいったものだ。
私の両親は、雨あがりの空に虹がかかると、「紀香、虹の色を上から言えるか?」と、十分でも二十分でも飽きずに虹を眺めているような夫婦だ。

そんな二人に育てられ、私も季節の移り変わりがもたらす豊かな自然と、自然のなかでしか得ることのできない楽しみや素晴らしさを知った。
人間、高価なジュエリーをプレゼントされたり、おいしいレストランで食事をご馳走されて感動するのは当然だ。

けれど、お金をかけて誰かに何かをしてもらわなくても、私たちのまわりには些細なことだけれども大きな感動があふれている。
先日もNYへ仕事で行く際、ちょうどフェアバンクスの上空でオーロラに遭遇した。

眼前に広がる色とりどりのオーロラの美しさにしばし呆然と見とれてしまった。
オーロラは見上げるものと思い込んでいた私は、この「真横にオーロラ!?」体験に興奮し、結局、機内にいる十二時間は寝つけなかった。
私は、季節の匂いを敏感に感じ、四季の変化が連れてくる自然の彩りのなかで、日々小さなことでも感動できるような人間でありたいなと思っている。

 

 

 

 

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