新文化 2002年(平成14年)5月23日 8面より引用
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土曜日の井の頭公園は大勢のアーティストとその観客で賑わっていた。 |
ブックカバーが書皮大賞を受賞 JR吉祥寺駅前からサンロード商店街のアーケードに入って間もなくすると、シオタニ氏がデザインしたプックスルー工の外装が目に止まる。看板には、痩せた青年が天使のような羽をつけ、少し頼り無げな笑顔をたたえながら夜空を飛ぶ姿が描かれている。 |
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当時、シオタニ氏にはすでに三点の著作があった。 ポストカードを初めて扱ったのは青山プックセンタ ー。 名古屋のヴィレッジヴァンガードなども広く扱っ ていた。ブックスルーエも九六年刊行の処女作『ばか と40人の青年』(絶版⇒今年三月にブッキングから復刊)から扱っているが、仕入れたのは当時の担当者。 永井氏自身は発掘者ではない。 しかし、二入は次第に親交を深めていった。 「作品以上に、人柄に惚れた。いつの間にかファンになった」(永井氏)、「プライベートな相談をすることもある。兄貴のような存在」(シオタニ氏)。 今年三月発売の『生まれたついでに生きる』も、永井氏がマガジンハウスの営業担当者に紹介したのが縁だった。 営業サイドの依頼を受けて編集を担当した同社の土佐豊氏は、四〇万部を発行した『326』(ナカムラミツル著、九八年)を手がけた人物だ。 土佐氏ば「ミツルはいわゆる“癒し系”。キンちゃんは癒してはくれない。内省的・哲学的に、若者特有の不安感を表現する。爆発的なヒットは難しいが、ある読者層には堅実に受け入れられるタイプだろう」とシオタニ作品を解説する。 |
最初の目標達成次の到達点に… 同書はマガジンハウスの単行本の基本部数とされる八OOO部で刊行された。 |
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作家も書店に関心ある特別原稿添付で仕掛け 売れっ子になるのは永井氏にとっても嬉しいことだが、その過程で二人の関係に微妙なズレが生じたことも。 |
<新文化提供> ・・・丸島さん、石橋さん取材ありがとうございました。
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