プロジェクトX リーダーたちの言葉
 
  思いは、かなう。これが日本人の底力だ。この国には不可能を可能にした無名の男たちがいた。 HNK人気番組の感動が一冊に! あなたはどの言葉で泣きますか?・・  
著者
今井彰 NHKプロジェクトX制作班
出版社
文藝春秋
定価
本体価格 1238円+税
第一刷発行
2001/8/10
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ISBN4−16−357670−3

はじめに

「リーダーたちの言葉」に込めた思い

日本の戦後は、数千数万のプロジェクトのドラマの歴史であり、そこに身を投じた無名の人たちが懸命に困難に立ち向かってきた日々の記録でもあります。
敗戦により、文化や科学技術が根絶やしになるほどの壊滅的な打撃を受け、日本人が絶望の前に立ち尽くしたのはわずか半世紀前のことです。
「ゼロからの挑戦」が、日本人に与えられたテーマでした。

『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』は、二〇〇〇年三月の放送開始以来、各方面で大きな反響をいただいています。
なかでも、各プロジェクトのリーダーたちが紡いだ言葉への視聴者からの共感は、特別なものがあります。
その言葉はいずれも、滋味深く、聞くものの心を弾ませます。

この本に登場するリーダーたちの言葉は、後世に残すためにことさらに飾り立てたり、机上で計算したりしたものではありません。
逆風にさらされ追い詰められた時、あるいは勝負所で、振り絞るようにして発せられたものです。
崩壊しかけたプロジェクトを救いたいと語り始めた言葉もあります。

若者たちに夢を切々と伝えた言葉もあります。
そして、リーダーとしての自分に鋭く問い掛けた言葉もあります。
さらに、目標を成し遂げ、感極まって叫んだ言葉もあります。

それらの言葉の一つ一つが、心に重く響き、輝きを放っています。
リーダーの言葉が、明確で先鋭であれば、そこに集まった人々は、ためらうことなく目標に向かって突進できます。
違う人生を送ってきた多様な個性がぶつかり合った時、チームはより力を増します。

新たな挑戦は、資金にも組織にも恵まれず、孤立無援の逆境のなかでスタートすることが圧倒的に多く、そうした時、リーダーの資質と存在感が何よりも大事になってきます。
時代の巡り合わせのなかで、普通の人生を送ってきた中間管理職や家族の長が、時として、想像を遥かに超えた闘いの中に身を置くことがあります。
部下の人生や会社の命運、すべての責任を背負い、ひいてはそれが次世代に託すかけがえのない未来であった時、リーダーとしてその闘いにどう立ち向かっていくか。
その時、自分の人生そのものも問われるのです。

「リーダーたちの言葉」は、『プロジェクトX』に登場した十八人の現場リーダーたちの言葉を厳選したものです。番組では、貫き通してきたテーマがあります。

思いは、かなう。

努力している人間を、運命は裏切らない。
必ず、道は開ける。
ひたむきに生きたリーダーたちの魂の言葉が、このテーマに込めた思いを語ってくれています。
一筋の光となって、一人でも多くの人の心に届くことを願います。

NHKプロジェクトX

チーフプロデューサー今井彰

 

 

 

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