はじめに●"凛たる"小泉純一郎、"毅然たる"田中眞紀子を国民は待っていた!
「私は!選挙中から訴え続けてきましたが、構造改革なくしてッ、日本再生はないッ!
この考えは変わりません!
小泉内閣は、『改革断行内閣』ですッ! また『新世紀維新内閣』でもあります!」
平成十三年四月二十四日に誕生した小泉純一郎総理大臣は、マスコミを前に、そう断言しました。
この、国家のリーダーに相応しい、凛たる言葉に、大多数の国民は拍手をもって受け入れました。
一国のトップリーダーである総理(首相)が、愚かなるがゆえに、一国が滅びることもあり、判断能力に欠けるところがあれば、国家運営が混迷し、今日の日本国民のように戸惑い、絶望寸前にまで陥るのです。
それほど一国の総理、トップリーダーの立場は重要なものです。
言い換えれば、これは民間の企業にもいえることです。
企業の経営トップが愚かで、判断を間違えば、企業を倒産に追い込むことになります。
そうした実例が、金融ビッグバンが叫ばれ始めてから、次々と倒産した大企業や、公的資金(血税)を投入しても、外国企業に売却するはめに陥つた銀行、保険、証券業界であり、これから倒産するだろうと予想されているゼネコン業界です。
一昔前なら、倒産することなど想像すらできなかった銀行や、超有名な企業がつぶれるのは、トップの能力が低下して時代を読み切れなかったことと、高度成長にうつつを抜かし、自分を過信したトップたちが、問題が生じると、今度は、わが身可愛さに、トップでありながら責任をとらず、問題を先送り、放置してきた結果です。
今回、総理に就任した小泉純一郎は、「小泉内閣は、改革断行内閣である!」と断言し、「新世紀維新内閣として、構造改革を断行します!構造改革なくして経済再生はない!改革には、抵抗する勢力は必ず出てきます。
戦いはこれからですツ!自分を奮い立たせてやり抜きます!」と悲壮なまでの決意を表明しました。この決意表明が世界に打電されたことで、「日本の行く末は大丈夫か」とまでいわれていた日本に対する世界の目が、変わり始めているのです。
総理大臣、リーダーの言葉、決意というのは、それほど重いものです。
混迷・停滞した時代を打ち破るべく登場したのが、小泉純一郎総理です。
小泉総理のことは第1章で詳しく述べますが、自民党総裁選挙立候補から、平成十三年五月七日の所信表明、八日、九日、十日の国会本会議上での野党の質問に対する答弁を中心に、リーダーたる者のあり方を分析し、話を進めます。
やはり一国のトップリーダーである総理になる人物には、多くのことが要求されることがわかります。
まず、日本のトップリーダーである総理たる者には、確固たる、『哲学・理念・信念』のあることが絶対条件だということです。
それが平成十三年五月八日の小泉総理の衆議院本会議場における、野党の郵政民営化についての質問に対する答弁に如実に現れています。
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