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十五歳でUVFの一員に
ずっしりとした重量感。黒光りする銃身。不気味な銃口。本物の拳銃が、わたしの手の中にありました。実際に手に持ってみると、何か不思議な気持ちがわたしの胸に迫ってきました。指を一本だけ動かせば、人の命を奪うことができる。体が震えるほど怖いものであり、とてつもない力を持ったものを、自分はいま手にしているのだと思いました。
同時に、拳銃を持っていると自分がこの上なく強い存在のようにも思え、何も怖がる必要がない。どんな恐ろしいものからでも自分を守ることができる。そういう気持ちもありました。UVF(アルスター義勇軍)というテロ組織に入ったのは、十五歳のときでした。北アイルランドの自由と平和を守るという名のもとに、テロ活動に加わったのです。組織の中でわたしは、日ごろから拳銃や爆弾を扱う訓練を受けていました。拳銃の場合、ギャング映画のような集団での撃ち合いは、まずありません。狙う相手がどこで働いているか、どこに住んでいるかがわかったら、できるかぎり標的に近づいて、至近距離から頭に拳銃をつきつける。確実な距離から撃つのです。
当時、わたしが住んでいた北アイルランドの街ベルファストでは、対立していたIRA(アイルランドの独立を主張するテロ組織・アイルランド共和国軍)との抗争のほかに、同じイギリス系の組織同士で、どちらの組織が強いか、どちらが主導権を握るかという争いがいつも起こっていました。いわば、「縄張り争い」のようなものです。英語の表現では「ステップ・オン・イーチ・アザー・コーンズ一(step
on each other corns)」といいますが、近いがゆえに、お互いに足を踏みつけあう、お互いが相手を邪魔者扱いするような感じでした。本来は、同じ立場の者同士だったのに、実に愚かなことでした。本文P.13,14より
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