| ・・・・・・けふはきのふ、きのふはけふのものがたり
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メトロポウルに燈がともり
河岸に紅さす夕間暮れ
電氣仕掛けのディアボロ人形、やおら睛をみひらいて
トトツツ、トトツツ動きだす
さ御座い、さ御座い
鏡球ひきいる少年電氣曲馬団
今宵いよいよお披露目でござります
満天の星を懐いてそびゆる十二階
彼の塔の高楼より、日唐傘ひらいてくだります
ゆうるり、ゆうるり
見はるかす花の都の眩しさよ
「オ義父サン、御存ジデスカ。今ドキノ紳士ハ誰モガ洋装デス。綾メルトンノ外套ニ黒御召ナゾノ扮装ハ廃レ、中折レ帽ニスコッチノ背広トヤラデ歩キマス。服ヲ読ヘルナラ、三越ヘオ出掛ケニナッテハ如何デス。ルネサンス式ノ建物ニナッタサウデスヨ。西欧ノ宮殿ノヤウダトカ。幸ヒ、少年ノ服装ハ昔トタイシテ変ハラナイラシク、先ホドボクト同ジ服ノ児ガ前ノ路ヲ通リマシタ。マヅハ電氣ヲ蒐メナケレバ。
……東京ハ、イッタイドンナ都ニナッテイルノデセウ。ワクワクシマス。デハオ義父サン、ボクハヒトアシ先ニ出カケテ参リマス」
ハ月末の真夜中、ぼくのもとへおかしな招待状が届いた。
貝白の紙に銀流しの酒落た封筒で、見知らぬ国の小さな紅い切手が貼ってある。
消印はShin-LAND。
差出人の名前はない。
級友の誰かの悪ふざけか、どこかに新しくできた遊戯施設の宣伝にちがいない。
九月の第一水曜日、〈少年電氣曲馬団》とやらが御台場のルナパわたアクで曲技を披露する。
そこへ、ぼくを招くというのだ。
曲乗り自転車、天空亙り、球乗り、品玉、ディアボロ廻し、水絡繰などの、ちょっと気になる演目がならべたててある。
差出人不明の怪しい手紙を開封したあげく、誘いにのってのこのこ出か
けるのも我ながらどうかと思うけど、第一水曜日のきょうは都合よく短縮授業で時間の余裕もある。
だからぼくが、学校帰りに寄り道をする気になったとしても、きみだって意外には思わないだろう。
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