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最後のディナー
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著者
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島田荘司 | |
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出版社
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講談社NOVELS/講談社 | |
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定価
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本体価格 800円+税 | |
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第一刷発行
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2001/12/5 | |
| ISBN4−06−182227−6 | ||
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1 あれは平成八年の四月のことだったと思う。 最近はそういう内容の手紙が多く、実はこの稿も、そういう手紙の要求に応える気分で書いている。 いやいや受話器を取ると、いやにかん高い女の子の声が、いきなり私の耳を打った。 表に充ちているのであろう陽光の強いエネルギーが、そのまま部屋に飛び込んできたようで、私は声と自分の気分との落差に戸惑った。 と私は陰気に応じた。 また今日も、この部屋で一人生活を開始しなくてはならない自分の運命がうとましく、睡眠薬でも飲んで永眠したくなった。 「はい」 そう問うので、私は眠気と闘いながら、しばらく無言で考えた。 しかしあなたは誰ですと尋ねるのも間抜けに思われて、言葉が出ない。 「あ、元気です」 私は丁重に尋ねた。 「あ、はい、そうですが」 ほんの少し沈んだ声になって、彼女がつぶやくようにそう言ったので、相当老朽化した私の頭も、ようやく回転を始めて記憶を甦らせた。 相手の声に、ほっとしたような明るさが戻った。
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