BOOKSルーエのおすすめ本 画像
 みじかい命を抱きしめて
This is my life With Ashley,a girl living up with progeria
著者
ロリー・ヘギ/著 〔板倉克子/訳〕
出版社
フジテレビ出版
定価
税込価格 1470円
第一刷発行
2004/03
e-honからご注文 画像
ISBN 4-594-04535-9

 ご購入いただくためにはご入会が必要です。  (⇒ご入会無料)
 
「NY・フェスティバル2004」ドキュメンタリー部門銀賞の映像作品を単行本化。遺伝子異常による早期老化症にかかった12歳の少女・アシュリーの、過酷な宿命とひたむきな生きざまを母親が語り下ろす。ドキュメンタリー番組第2弾も放映決定(フジテレビ2004/3/20(土)21:00〜)。
 

本の要約

本書「エピローグ」より
アシュリーは今日も、人の何倍ものスピードで年をとり続けています。与えられた人生の残り時間を早送りで消化しています。「なぜ私には髪がないの?」と尋ねたアシュリーに、「年をとればみんな髪が抜けるのよ」と、とっさに答えたことを思い出します。髪が抜けることも、胸が痛むことも、骨がもろくなることも・・・・・そう、スピードは少し遅くても、誰もがアシュリーと同じ老化を経験するのです。そしてアシュリーは、残された時間を信じられないほどポジティブに、楽しく生きています。人にとって時間がどれだけ大切なものであるか、彼女の存在自体が語っています。そしてポジティブに生きてと、その小さな身体ごと、メッセージを発してくれているように見えます。もちろんそれは、母親である私だけのために神から発せられたメッセージではありません。アシュリーとスピードは違っていても、残りの人生を今の一分一秒ごとに消費している人たち、つまり今生きているすべての人たちへのメッセージでもあります。プロジェリアという病気を解明することは、人の老化を解明することだとよく言われます。人類の永遠の課題である老化を解き明かすために、プロジェリアは神様が遣わせた病気だと言う人もいます。ただ、私にはこう思えてしかたないのです。短い人生を一生懸命生きることの大切さを教えたい。そして自らの死や生きる目的を考えてほしい。そうお望みになった神様が送り込んでくれた天使−−それがアシュリーなのだ、と。

▼アシュリーの本が発売になりました。

   アシュリー ALL About Ashley 


3月15日放送された『サイエンスミステリー それは運命か奇跡か!? DNAが解き明かす人間の真実と愛』は、非常に高視聴率の17.3%の番組でした。
なかでも、普通の10倍のスピードで老化していく病に冒された少女アシュリーが、過酷な運命を受け入れ力強く生きる姿に、全国から感動の声が多数寄せられました。
先の放送では紹介できなかった部分を加えてお届けする感動ドキュメンタリーが

ザ・ノンフィクション
 『短い命を刻む少女 〜アシュリーの生き方〜』

               2004年4月13日(日)午後2時〜2時55分 が放映されました。
           

◇番組内容
■平均寿命13歳
カナダ・アルバータ州に住んでいるアシュリー・ヘギちゃん(11歳)は、母・ロリーさん(29歳)と二人暮らし。アシュリーは生後9ヵ月の時、800万人に一人の割合で生まれるプロジェリアという病気との診断を受けた。プロジェリアは、普通の10倍近いスピードで老化していく病気で、11歳のアシュリーの肉体年令は100歳に近い。患者の平均寿命13歳・・・。


■治療法のない難病
現在プロジェリアの治療法はない。原因は受胎時に精子もしくは卵子に起こる遺伝子の突然変異と考えられているが、どの部分が変異を起こしているのか原因遺伝子の特定はなされていない。急速に進む遺伝子研究の成果を受けて、第一染色体の長腕部のどこかに原因遺伝子がありそうなことがわかってきている。プロジェリアは人種や性別に影響を受けず、可能性は低いながらも誰にでも起こりうる病気。日本の患者数に関する公式のデータはないが、過去に数例の症例報告がある。今、プロジェリアの患者は世界でわずか30人。新しい命が誕生するほんの一瞬に起きるわずかな遺伝子のトラブルが、その命の寿命さえも左右する。

■母親の苦悩
日に日に年老いていく我が子の姿を前に、「自分より先に死ぬ娘と一緒にいるのが恐かった・・・」という母・ロリーさん。夫はアシュリーが1歳のときに家を出て行った。アシュリーを産んだのはロリーが17歳のとき。若い両親にとって、プロジェリアの子どもと向き合うことはあまりにも辛い現実だった。ロリーはキックボクシングのインストラクターとしてわずかな収入を得ながら、たったひとりでアシュリーを育ててきた。ロリーの母親ジョアンさんはこう語る。「ロリーは強い母親になった。アシュリーがいたから、ロリーは成長した」と。


■アシュリーの夢
アシュリーは、毎日を前向きに生きてきた。動物が大好きな彼女の将来の夢は獣医さん。現在、近くの動物病院で仕事の手伝いをしている。クリスマスの聖歌隊にも初めて立候補したアシュリー。
ある日、アシュリーが大事に飼っていた虫が死にそうになる。誰よりも命の大切さに敏感な彼女は、懸命に看病するが死んでしまう。
そして寒い朝、アシュリーは胸の痛みを訴え、ベッドから起き上がることが出来ない。プロジェリアの患者は、ほとんどが老化によって生じる心臓病で命を落とす。しかし、アシュリーの口に酸素吸入器を当てるロリーは意外にも冷静だ。そこには悲しみを乗り越え、死と隣り合わせの日常と向き合う母の強さが感じられる。

■生きる勇気
そしてクリスマス・・・。
聖歌を元気に唄う娘・アシュリーの姿に、母・ロリーは何を思うのだろう。アシュリーの遺伝子が残ることはないかもしれない・・・。しかし、どこまでも前向きに生きようとするアシュリーの勇気は、多くの人の心の中で生き続けるに違いない。



オススメな本 内容抜粋

まえがき
アシュリーが、初めて日本のテレビのドキュメンタリーで取り上げられたのが、二〇〇三年三月。フジテレビの『サイエンスミステリーそれは運命か奇跡か!?〜DNAが解き明かす人間の真実と愛〜』という番組でした。アシュリーの病気、プロジェリア自体がまだ知られていないこともあって、私たちが何かの役に立てばと思い、取材を受けました。
私たちの住むカナダから遠く離れた国で、どれだけ私とアシュリーの思いが伝わるか不安はあったものの、その反響は想像していた以上にとても大きなものでした。
オンエアの直後から、日本の皆さまからアシュリーを励ますたくさんのメールや手紙をいただき、彼女もとても喜んでいます。彼女はすっかり日本贔屓になってしまって、ペットのマウスに「ハム太郎」という名前をつけたほどです。
『サイエンスミステリー』のアシュリーの部分は再編集され、次の月には『ザ・ノンフィクション』という一時間枠のドキュメンタリー番組でもオンエアされました。このアシュリーの『ザ・ノンフィクション』は、アメリカのニューヨークフェスティバルという祭典のドキュメンタリー部門で受賞が決定したそうです。
さらに、『サイエンスミステリーU』が決まり、その後のアシュリーのドキュメンタリーが二〇〇四年三月に放送されることになりました。
この本の出版のオファーをいただいたのは、その取材のときです。
アシュリーのこと、そしてさまざまな出来事があった私の半生を自分自身が語り、それを日本語でまとめていただき、一冊の本にするというお話でした。
これまでインタビューを受けたことは何度もありましたが、アシュリーではなく、私自身の半生を語ったことはありませんでした。
アシュリーはプロジェリアという病気を背負い、私の目にも神様が何かを私たちに伝えるために遣わせた、特別な存在であるように映ります。
でも私自身は彼女の母親であるという以外、特別なことは何もありません。
それどころか、少女時代は家出を繰り返して両親を悲しませ、アシュリーを産んでからも間違いを繰り返し、たくさんの罪を犯し、何度も地の底に沈みそうになりながら、自分自身の人生をかろうじてつないできました。
そんな私の半生を知りたい人がいるのかしら。
それに、私自身、自分の過去ともう一度正直に向き合い、虚飾なく率直に語ることができるだろうか。
私が語ることで誰かを傷つけることにはならないだろうか。
そんな理由から、この本を出すことを迷ったのもたしかです。
ただ、本という形で私のささやかな人生を誰かとシェアすることで、読んでくださった方も、そして私自身も勇気づけられるかもしれない。
そんな思いもあり、本を出すことを決心しました。
そうして日本から書籍のスタッフがやってきて、私は何十時問もかけて彼らに、これまであったすべてのことを語り続けました。
ドラッグ漬けの日々を送り、愚かなことばかり繰り返してきた私ですが、ありのままを飾ることなく、お話ししたつもりです。
話をしているうちに、涙が止まらなくなることも何度かありました。
インタビューが中盤にさしかかったころ、私は夜に父を訪ね、これまでのことを初めて謝りました。
これまで父には、私のしてきたことを謝っていないことに気がついたからです。
自分に正直に向き合うことはずっしりと重く、つらさもともなう体験でしたが、私にとっても、ともすれば忘れてしまいたいような自分の人生をきちんと振り返る貴重な機会になったと思います。
人の時間は無限ではありません。
アシュリーはもちろん、私にとっても、そしてすべての人にとっても、与えられた時計は刻々と時を刻み、今この瞬間も前に進んでいます。
その一瞬でも、本を読んでくださった誰かと、私の時間をシェアできれば幸せです。
最後に愛するアシュリーとジェイ、これまで私を支えてくれた家族と友人たちに、心からの愛と感謝を贈ります。
そして私を無条件で愛し、私の暗い過去の日々を、明るい光に満ちた毎日に変えてくれた神様に何よりも感謝します。
もしあなたがいなければ、こうして話す言葉をひとつももたなかったでしょう。

二〇〇四年二月

ロリー・ヘギ

(本文P. 1〜4より引用)

▼この本の感想はこちらへどうぞ。 <BLANKでご覧になれます

e-honからご注文 画像
BOOKSルーエ TOPへリンク


このページの画像、引用は出版社、または著者のご了解を得ています.

当サイトが引用している著作物に対する著作権は、その製(創)作者・出版社に帰属します。
無断でコピー、転写、リンク等、一切をお断りします。

Copyright (C) 2001 books ruhe. All rights reserved.