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 負け犬の遠吠え
著者
酒井順子/著
出版社
講談社
定価
税込価格 1470円
第一刷発行
2003/10
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ISBN 4-06-212118-2
 
この一冊が、日本を揺らす大紛争に。全国の負け犬たちの 熱い共感を呼ぶベストセラー! 嫁がず、産まず、この歳に。
 

本の要約

連載時から大反響の問題エッセイついに刊行!「30代以上・未婚・子ナシ」は女の負け犬!「負け犬にならないための10ヶ条」等、全女性必読の書!



オススメな本 内容抜粋

本書を読まれる前に
・負け犬とは……
狭義には、未婚、子ナシ、三十代以上の女性のことを示します。この中で最も重要視されるのは「現在、結婚していない」という条件ですので、離婚して今は独身という人も、もちろん負け犬。
二十代だけどバリバリ負け犬体質とか、結婚経験の無いシングルマザーといった立場の女性も、広義では負け犬に入ります。
つまりまあ、いわゆる普通の家庭というものを築いていない人を、負け犬と呼ぶわけです。
結婚していない女=負け犬、とすると、
「でも○○さんみたいに、美人で仕事もバリバリやってる人は、結婚していなくても負け犬ではないのでは?」
と、南アフリカにおける名誉白人のような例外を作り出そうとする入がいるものです。
が、どれほど仕事が有能であろうと美人であろうとモテていようと、負け犬条件にあてはまる女は全て負け犬である、というのが本書のスタンス。
「既婚子持ち女に勝とうなどと思わず、とりあえず『負けました〜』と、自らの弱さを認めた犬のようにお腹を見せておいた方が、生き易いのではなかろうか?」
という意識から来る、一種の処世術と見ていただいてもいいでしょう。
なお、本書において「負け犬」と記されている場合、その性別は基本的にメス、すなわち女性です。
未婚で子ナシで三十代以上の男性については「オスの負け犬」と表記しますので、混同の無いようご注意下さい。

・勝ち犬とは……
負け犬のカテゴリーに当てはまらない女性の意。
いわゆる、普通に結婚して子供を産んでいる人達のことです。
お金持ちの夫を得て子供のお受験にも成功して余裕のある専業主婦生活をしている人から、収入の少ない夫をパートで支えていたら子供はグレてしまったという主婦まで、一口に勝ち犬と言っても幅広い層がいるわけですが、世帯収入の多寡や家族仲の良し悪しにかかわらず勝ち犬は勝ち犬である、と負け犬の立場にいる者としては勝手に決めさせていただきます。
それぞれの場面において、皆さんのお好みに合った勝ち犬像を思い浮かべることによって、本書を一層楽しんでいただくことができるでしょう。
勝ち犬も負け犬と同様、「オスの」という表記が有る場合以外は全て、メスのことを示すものとお考え下さい。

・「負け」と「勝ち」について
人を勝ち負けで評価することがタブー化している昨今。
しかしだからこそ人は余計に、口には出さずとも、心の中で勝ち負けをつけたがっています。
こと女性に関して言えば、今も結婚と子供というポイントによって勝ち負けの評価はなされがち。
言論統制が行き届いている現在、「エッ、まだ結婚してないの?なんで?今はよくても、歳とってから寂しくなるよ〜」
といったわかりやすい差別発言は減ったものの、
「ああ、負けてるんですね」
という無言の評価を、私のような三十代・独身・子ナシ者はなされるわけです。
ではなぜ負け犬は「負け」ていると見做されるのか。……というと、“何を生産しているのか”の違い、という問題に行き着くと私は思います。
人間というものは、家族の一員であったり、経済社会の一員であったり、国家の一員であったりと、様々な立場を持っています。
誰しも同じである“国家の一員”という立場を除けば、結婚して子供を産み育てている専業主婦の勝ち犬は“家族の一員”としてのみ、存在していることになる。
対して負け犬は、自分の親と自分、という家族は持っていても自分が作った家族は無いわけで、”経済社会の一員”としてのみ、存在している。
家庭を持つサラリーマンとか、結婚して子を産みながら仕事も続ける女性は、家庭と経済社会、両方に身を置いているわけです。
ではなぜ勝ち犬・負け犬は一つの世界にしか属を大量発生させてしまった日本の未来は一……一?ということで、これからしばらくの間、遠吠えてみようかと思います。
とはいっても、人間を勝ち負けで二分することが本当は不可能であることは、私も知っているのです。
が、そこを無理矢理にでも分けてしまうと単純に面白い、というのもまた事実。
あまり勝ち負けという問題に対してキーキー言わずに、しばらくの間この遠吠えに、お付き合い下さい。

(本文P. 7〜12より引用)


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