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 中央線 カルチャー魔境の歩き方 ダ・ヴィンチ特別編集 5
著者
G.B./著
出版社
メディアファクトリー
定価
税込価格 円
第一刷発行
2004/03
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ISBN 4-8401-1053-0
 
いちど住んだら、逃れられない。
 

本の要約

いちど住んだら、逃れられない。みうらじゅん、江口寿史、長嶋有が語る「私が中央線を好きなわけ」、映像「俺たちの旅」から「タカダワタル的」、音楽「一本道」「多摩蘭坂」から「四丁目カフェで会いましょう」まで、中野〜八王子で生れた名作・怪作の数々を網羅。飲み屋と喫茶店と理屈っぽい酔っ払いにあふれ、あまたの文学・コミック・アニメや映画を生んだこの街の深い業を味わい尽くす!



オススメな本 内容抜粋

サブカルもおしゃれもイイトコ取りのオイシイ町


漫画家在住率と流行への敏感さは沿線一
新宿、渋谷、下北沢文化が融合した“カフェ”の似合う町ー

吉祥寺は中央線中、最もイイトコ取りの町である。
新宿を起源とする中央線特有のサブカル的ノリを持ちつつも、井の頭線からやって来る渋谷、シモキタ文化も持ち合わせている。
住む、訪れる人間にとっては、1か所でふたつの雰囲気が昧わえる楽しい町。
頑なに中央線的な空気を守る高円寺や国分寺などに比べ、器用に世の中を渡り歩く現代っ子のイメージがある。
駅前に居並ぶパルコ、丸井、伊勢丹、東急、三越のデパート群は、ちょっとした地方大都市の趣き。
加えてレストランや居酒屋、バーなどは国籍も多彩に日々新しい店がオープンしており、女性誌で頻繁に単独特集が組まれるような中央線の駅は「この吉祥寺だけ!」と胸を張ってもいい。
しかも、中央線沿線の多くの駅ではロック喫茶や純喫茶などの「喫茶店」が目立つのに対し、吉祥寺の店は「カフェ」が似合う。
沿線一外国人率が高い町だけに、オープンカフェで寛ぐ白人さんの姿が日常の風景となっているのも自慢である。
こんな風に、流行に貧欲に進化していくように見えて、きちんとレトロな空気も残されている。
かつてのヤミ市の名残「ハモニカ横丁」、吉祥寺のジャズ文化の火を灯すジャズ喫茶「メグ」、「Outback」。
花村萬月の「幸荘物語』にも登場した精肉店「サトウ」はメンチカツ目当ての行列を途切れさせない。
アカデミックサイドでは、演劇の老舗であり、歌舞伎界の封建制度を打破することを目指した「前進座」や360年続く人形芝居の「結城座」もある。
渋谷のように若者オンリーの街にならないのは、こういった頑固な存在があるからに違いない。
最も特徴的なのは80年代以降に定着した漫画・アニメの町としてのイメージだ。
吉祥寺には少なくとも有名漫画家が30人以上は在住、アニメ制作会社も多く存在するという。
1990年には吉祥寺駅開業100周年記念事業として、イベント「吉祥寺アニメワンダーランド」がスタート。
コスプレパレード(9・11のテロ以来、中止)やウォークラリー、吉祥寺在住の漫画家が描き下ろすポスターやイオカードで話題を呼んでいる。
これまでに地元在住の漫画家としで、原哲夫、水島新司、江口寿史、大友克洋、土田世紀、藤沢とおる、美内すずえ、一条ゆかりらが参加した。
なぜ彼らに好まれるのかと言えば、吉祥寺の最終兵器、井の頭公園の力によるところが大きいだろう。
豊かな緑、のどかな水辺、そして園内のいたるところに出没するパフォーマー。
昼間っから酔っ払いが盛り上がりを見せる焼き鳥屋「いせや」についてはもう語る必要もない。
このほのぼのと驚きの共存こそが吉祥寺の魅力なのだ。
70年代の名作ドラマ『俺たちの旅』を始め、ここを舞台にした小説、映画、ドラマ、漫画も数えきれない。
作中には、吉祥寺のハイソ方面を司る成践大学に通う主人公が多いのも特徴だ。

 

(本文P. 94より引用)


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