定本「一人ごっつ」
著者
松本人志/著
出版社
ロッキング・オン
定価
本体価格 1200円+税
第一刷発行
2003/09
ISBN 4-86052-024-6
 
オンエア終了からはや5年。昨年末から松本自選のDVDシリーズ『スーパー一人ごっつ』が相次いでリリースされたり、各地で『一人ごっつの世界展』なる展示会が催されたりと、いまだに熱狂的な支持者を増やし続けている伝説の深夜番組『一人ごっつ』が、遂に帰ってきました。
 

 飽くなき笑いの求道者・松本人志が叩きつける2003年版『一人ごっつ』、今度の舞台は“紙の上”、です。
そもそもの発端は、『CUT』03年2月号で企画した“誌上 一人ごっつ”。オール新作、松本人志が“活字”というこれまでとは違った表現方法を念頭において笑いを生み出していった画期的なこの企画は、おかげ様で皆様から大反響を頂きました。
本書はその『CUT』掲載作品にさらなる未掲載ネタを加え、1から編集し直した、新型一人ごっつの完全なる記録です。大仏とのやりとりから生まれる笑い『一人大喜利』、偶然に翻弄される言葉の組合せから生まれる笑い『一人面雀』、凝視した一枚の写真から生まれる笑い『写真を説明しよう』――それらはきっと、あなたがこれまで体験したことのなかった松本人志に違いありません。
また、それだけでは飽き足らず、松本本人が『一人ごっつ』とは何だったのかを振りかえる貴重な回想インタヴュー、松本と大仏の声=倉本美津留が『一人ごっつ』の舞台裏を語り合う対談企画、そして伝説の『二十四時間大喜利』から傑作選も収録!――と、これぞまさに“定本”一人ごっつ。
松本人志の奇跡のような笑いのメカニズムに思う存分触れてください。松本人志が挑んだ新たな挑戦――『定本「一人ごっつ」』。さあ、あなたはどこまで飛べるか?



まえがき
「一人ごっつ」とは、一九九六年からの約二年間、『一人ごっつ」『新・一人ごっつ』『松ごっつ』とそのタイトルを変えながらテレビ放送されて
いた、松本人志の単独番組である。
松本人志単独の、とは言っても、番組名が変わる中で、木村祐一や板尾創路らの参加もあった。
あったのだが、やはり、それは、松本人志の"作品"と呼ぶべき番組だろう。
というのも、たとえばそこで行われていたのは、「一人大喜利」というスタイルに象徴されるように、笑い"を求めるうえでまさに究極としか言い様のない個人技の世界だったからだ。
隔離されたお寺で修行に励む僧のように、難解極まる"お題"にたった一人で立ち向かい、誰も予想もしなかった答えをひねり出す。
そんな常人には到底成立させることなど不可能な"笑い"の高みが、「一人ごっつ」という奇跡的な番組のすべてだったのだ。
「一人ごっつ」は、松本人志にしかできない芸当である。
ということは、「一人ごっつ」は、松本人志が何ゆえ松本人志であるのかを、もっとも純粋に表現したスタイルでもあるのだ。
この『定本「一人ごっつ」』は、そんなスタイルを、"活字の場"において挑戦した本である。
そもそもは、月刊誌『Cut』において企画した"誌上一人ごっつ"から始まっているその内容は、松本人志が"活字"という、これまでとは違った表現方法を念頭に置いて、"笑い"を生み出していった、画期的なものとなっている。
" 笑いの神様"=大仏とのやりとりから生まれる笑い「一人大喜利」、偶然に翻弄される言葉の組合せから生まれる笑い「一人面雀」、凝視した一枚の写真から生まれる笑い「写真を説明しよう」─。
きっとそれらは、あなたがこれまで体験したことのなかった松本人志に違いない。
そして、もう一つ言うなら、あなたはこれらの笑いが生み出されていくプロセスを同じように体験していくことで、松本人志の奇跡のような笑いのメカニズムに触れるはずなのだ。
そういう意味で、この本は、松本人志の笑いのドキュメント記録とも言えるのである。
なお、付録として、今では伝説となっている
『二十四時間大喜利』から傑作選を収録した。
笑いの求道者“松本人志が挑んだ新たな挑戦─『定本「一人ごっつ」』。
さあ、あなたはどこまで飛べるか?
(本文P.6〜8 より引用)


このページの画像、引用は出版社、または著者のご了解を得ています.

当サイトが引用している著作物に対する著作権は、その製(創)作者・出版社に帰属します。
無断でコピー、転写、リンク等、一切をお断りします。

Copyright (C) 2001 books ruhe. All rights reserved.