北朝鮮による拉致被害者の家族が赤裸々につづる真実。日本に帰国した5人の家族を中心にいまだ帰らない被害者たちの家族が心境を激白。 本書「あとがき」より 2003年5月7日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催した国民大集会では6000人の定員を大きく上回る1万人以上もの人たちが集まってくださり、会場に入りきれない人が大勢出るほどの盛況だった。あのとき会場で、「家族だけじゃないぞッ。俺たちがついてるからな!」という言葉を聞いたことが、私には何よりもうれしかった。一方で、ひところの過熱ともいえる報道も収まり、拉致問題がマスコミに登場する回数も徐々に減ってきた。だが、一方的に「死亡」とされた8人の被害者の安否はいまだに不明のまま、帰国した5人の家族も北朝鮮に残されたままなのである。そればかりか、特定失踪者問題調査会の調べでは、拉致の可能性のある人は日本全国で300人を超える。すべての被害者が家族のもとに帰ってこない限り拉致問題が風化することなどありえない。いや、決して風化させてはならない。そのためには、私たち自身の言葉で「拉致」が被害者家族に何をもたらしたのかを語り残しておくべきではないかと考えたのだ。この『家族』は、私たち「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)による初めての記録本である。これまでマスコミ報道にはあまり登場してこなかった家族も含めて、「家族会」に参加している全家族の肉声を伝えたいという私たちの一つの目標はこれで達成できたと思う。
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