もうこの世にはいないはずの初恋の人に、突然出会ってしまったら、どうしますか・・・?韓国で大ブレイクし、ロケ場所が人気のデートスポットになったり、風になびくヘアスタイルや捻って結ぶマフラーの巻き方など、主人公のファッションが若者の間で大流行し社会現象となりました。その人気は、他のアジア地域まで広がっています。韓国KBSの純愛TVドラマの小説・日本語翻訳版がついに登場。
本書「まえがきに代えて」より
は・つ・こ・い−−−そっと思い浮かべるだけで、人々の胸に静かな波紋を起こす水色の懐かしい言葉。すべての人々の初恋は純粋で切実なものであるけれど、時間が経つにつれてその記憶は薄れていき、別の愛によってその強い気持ちはしぼんでしまう。ところが、生まれて初めての胸が高鳴るような愛を感じさせてくれた彼が死んでしまったとしたらどうだろう。そして、十年後に死んだ彼と同じ顔の男が、結婚をひかえた彼女の前に現れたとしたら?昔、愛していた男と似ているという理由だけで、その男を愛することができるだろうか?あの冬、私たちはユジンとジュンサンの、思い出の中の冬を旅するために、現実の冬を感じる暇がなかった。いつ初雪が降ったのか、クリスマスはどう過ごしたのか、まったく覚えていない。部屋はとても寒く、ジュンサンとユジンを再会させたり、別れさせたりする過程はとても難しかったけれど、二十歳のころ、初めて好きな人ができたときのときめきを思い出しながら、まるで自分たちが初恋をしているかのように『冬のソナタ』を書いた
本書「まえがきに代えて」より キム・ウニ/ユン・ウンギョン
美しい冬の映像を画面いっぱいに映し出した初恋の物語を、ユジン、ジュンサン、サンヒョク、そしてジュンサンに似たミニョンの切ない初恋を、運命的な決して変わることのない愛を、囁くように節制した言葉で再び蘇らすことは、また違った難しい作業だった。『冬のソナタ』は私たち二人が経験した切ない「初恋」である。初恋は誰にとっても一度しかないから胸が痛むものだが、だからこそ一生忘れられない愛になるのだと思う。まだ四月なのに夏のように蒸し暑く、冬の痕跡はどこにもない。しかし、遠からず冬はまた訪れるはずであり、やがて二十歳になる少年少女たちは、どこかで人生の最初であり最後である初恋に出逢っているはずだ。いっとき心から誰かを愛した人々と、最近恋愛を始めた人々、そして初恋の思い出を持つすべての人々にとって、この本『冬のソナタ』が温かな思い出になればと思う。
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