人生にはしなくてもいいことがいっぱいある
著者
高橋 龍太郎
出版社
青春出版社
定価
本体価格 1400円+税
第一刷発行
2003/02
ISBN 4-413-03385-X
あなたを縛っているものは、何! 

内容紹介
なんとなくつまらない・・・そんな毎日を過ごしてはいませんか?  やらなくてはならないものに縛られて、きゅうくつな思いをしていませんか? 会社や仕事、お金、モノ、時間・・・自分の心を知らずにおいつめるものたちとの関係を楽しみ、人生がラクになるヒントがぎっしり詰まった一冊。

 

 


著者紹介
1946年山形県生まれ。精神科医。東邦大学医学部を卒業後、慶応大学精神神経科入局、国際協力事業団の医療専門家としてペルー派遣などを経て、現在、タカハシクリニック院長。

 

はじめに

人生にはしなくてもいいことがいっぱいある私たちは自由です。
ちょっと、ここ五〇年ほどを振り返ってごらんなさい。
地方に住んでいる人が東京で暮らそうなんて、夢のような出来事でした。
村始まって以来の秀才や天才とうたわれた画学生が、故郷の資産家に金を出してもらってようやく東京の大学に出かける。

不幸にも、売られて都会で働く女たち。 こんな形でしか、誰も都会へ出ていくことなんてできなかったものです。
ほとんどの人たちは、地方にあっても都会にあっても親の仕事を継ぐしかありませんでした。
今はどうでしょう。
都会で生活することは誰でもできるようになりました。
どんな仕事にもつけるようになりました。
若者たちは、人生の先輩である年上の世代の言うこともきかなくなりました。
私たちはまったく自由なはずなんです。
でも、本当にそうでしょうか。
今ほど、人々が何かに縛られて生きている気分になっているときは、これまでなかったのではないでしょうか。
仕事、お金、生き方、趣味、ブランド…ありとあらゆるものが、すべて私たちを取り巻いて、しかもそれに縛られている気がするのです。
なかでも情報の多さは、私たちをどこまでも追いつめてくるように押し迫り、私たちを縛ります。私たちは、情報の海に浮かぶ小舟のようなもの。
ひとときの安心も許されないまま、大波や台風に転覆しそうになりながら、漂っているのです。
では、そこから逃げればいいのでは。誰でも、そう考えますが、それができないのはなぜでしょう。
たぶん、それは、みんなと同じように生きていかねばならない、という足椥があるからではないでしょうか。
一億総中流といわれて久しいですが、最近でこそほころびが見える、
この結果平等主義は、先進国の中でもまれなほど成功しましたが、そのため多くのものを失ってきました。
その最大のものが、他人と違って生きることの恐怖を植えつけてしまったことです。
そのため、一人ひとり違う個性であるはずなのに、皆と同じように生きるために、いろんなものをしょいこまなくてはならなかったのです。
なかでも、お金と情報にまつわるものは深刻です。
この二つのために私たちはすべてを犠牲にして生きてこなくてはなりませんでした。
勉強が嫌いでも、就職のために大学まで行かねばならない。
情報を得るためにTVは一日中つけっぱなしになっている。
こんなことをやっていては、生きていることは楽しくなくなってしまう。それどころか、つまらないものになってしまうでしょう。
なぜなら、それは自分がつくり出した基準や価値ではなくて、他人がつくり出した基準や価値にすぎないからです。
その他人の物差しで生き続けざるをえないこと、それが縛られて生きていることの実体なのだと思います。
この本は、他人の物差しではなく、自分の物差しで生きるためのガイド・ブックです。
そして、他人の物差しから自分の物差しの部分を取り除くと、いかに余分なものがあるかと伝える本でもあります。
人生には、しなくてもいいことがいっぱいあります。
持たなくてもいいものが、山のようにあります。
この本では、このことを繰り返し説くことになるでしょう。

(本文 はじめにより引用)

 
 


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