自殺よりはSEX 村上龍の恋愛・女性論
著者
村上龍
出版社
ベストセラーズ
定価
本体価格 1500円+税
第一刷発行
2003/01
ISBN 4-584-18030-X
恋愛を最優先にしない人が充実した恋愛をすることができる。


作家・村上龍が76年デビュー以来、書き綴ったエッセイの中から、恋愛・SEX・女性論を網羅したスタイリッシュな愛蔵版ができました。書下ろしの他、単行本未収録作品も多数収録した恋愛論の決定版ともいえる本書は、いま恋をしている人、そして恋を失ってしまった人にも最適の贈り物です。



村上龍

1952年佐世保生まれ。76年、『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』『希望の国のエクソダス』『あの金で何が買えたか』など数々のベストセラーを生む。インターネット上で配信のメールマガジンJMMを主催し、金融経済関連書も発行(近刊『マクロからミクロへ』)。『すべての男は消耗品である。』『普通の女の子として生きたくないあなたへ』『フィジカル・インテンシティ』『恋愛の格差』他エッセイ多数。

 

どうして「恋愛」に関する需要が多いのだろう?

どうしてわたしたちの社会では「恋愛」に関するエッセイとか読み物の需要が多いのだろう。
考えてみればかなり不思議だ。
昔より減ったのか増えているのかわからないが、とにかく書店に行けば恋愛論の類が山のように積んであるし、女性雑誌もいろいろとアイデアを出して恋愛やセックスの特集を続けている。
そんなことを言うけど、お前だって多く の恋愛エッセイを書いているではないか、と言われそうだ。
弁明するわけではないが、わ たしは需要に応じて書いているだけで、一般的な恋愛や、他人の恋愛には興味がない。
恋愛に関するエッセイでは、わたしはすっと同じようなことを書いてきたような気がす る。
つまり恋愛を最優先にしない人が充実した恋愛をすることができる、ということだ。
つまりわたしたちは恋愛をするために生きているわけではないし、生き延びていくという のは恋愛に優先する。
刑務所や収容所で恋愛するのは非常にむすかしいし、飢餓が迫って いるときは恋愛の相手ではなく食料や水のほうが重要だ。
なんか、本当に二十五年前から同じことを書いているような気がしてきた。

(本文P.15より引用)

 
 


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