新・ゴーマニズム宣言 12
著者
小林よしのり/著
出版社
小学館
定価
本体価格 1100円+税
第一刷発行
2002/12
ISBN 4-09-389012-9
SAPIO大反響連載、単行本化第12弾!

■目次
ちょんまげよしりん「親米でござる!」;ひとまねこざるは動物園が幸福;自分のメディアを持つ野望;純粋まっすぐ詐欺子ちゃん;文明の内なる野蛮とは何か?;戦後生まれがアメリカに受けた屈辱;小林を排除せよと叫ぶ西尾ポチ;奈良の鹿を見て考えたこと;瀋陽総領事館とメディア規制法;「国立追悼施設」をつぶせ!〔ほか〕

■要旨
『SAPIO』大反響連載!単行本化第12弾。瀋陽総領事館事件、国立追悼施設からパレスチナ問題、北朝鮮外交まで、日本人よどこへ行く。

描き下ろし「ちょんまげよしりん『親米でござる』」を巻頭に、イラク、北朝鮮、パレスチナ情勢などで米国の言いなり言論人「ポチ・ホシュ」を斬る。その他、藩陽総領事館事件、国立追悼施設構想などもテーマに扱う。

あとがき

臆すな、思想せよ、
言葉を繰り出せ

日本には中国の工作員と化した政治家や外務官僚、マスコミ言論人がいる。
大概、中国に行って盛大な歓迎を受けたり、密かにODAのキックバックを受け取っていたり、中国で仕事をしたくて批判力を失ったり、女を抱かされて写真やビデオを撮られたやつらである。
そういう連中が急に親中になって中国の言い分を代弁し始める。
日本で影響力の強い人物が、他国を公式に訪問した場合、非常に篤いもてなしを受ける。
突然ホテルの部屋に美女が訪ねてきたり、外出先から戻ると部屋の中に女が2、3人待っていて接待が始まり、いつの間にかとんでもない姿を撮られていたり、ということも現実にあるのだ。
ホテルの部屋に盗聴器が仕掛けられているのは当たり前と考えていい。
こういう工作に引っ掛かって帰国した後、中国のスピー力ーになったやつ、北朝鮮のスピー力ーになったやつ、韓国のスピーカーになったやつ、そしてアメリ力のスピーカーになったやつがいる。
他国に籠絡された日本人がこの国にはあまりにも多い。
わしが袂を分かった「新しい歴史教科書をつくる会」の内部にもイスラエルと特別な絆を持つ宗教団体の存在があった。
会費のためにも動員のためにも「つくる会」に多大な貢献をしているこの宗教団体の一部の者たちが(あくまでも一部の者たちと言っておこう)、今回の9・11同時多発テロにおけるわしの反応に猛烈な敵意を持った。彼らは親イスラエル、親米、反パレスチナでなければならなかったのである。
だがわしにとっては親日本でありさえすればよく、反米、反イスラエル、反中、反ロシア、反朝鮮であり、すべての他国に「反」でかまわないのである。
わしは、他のどの国とも相容れない、そして譲れない「公」が日本にあると信じているだけである。
わしは他国の国益をこの日本で主張し始める連中を信じない。
最近では、あまりに他国の国益にばかり執着するやつは、あんな、その国の女を抱かされたなと思って納得することにしている。
そうでも考えなければおかしいじゃないか、日本人のくせに日本が一番得するように主張しないなんて。
日本はスパイ天国だと言う。
まったくその通りで他国のスパイと化した日本人が異常に多い。
論争しても虚しいだけだ。
向こうは女を抱かされたことを家族や国民にばらされたくないだけなんだから。
ではわしが親台湾なのは、さては台湾で女を抱かされたのか?
残念ながら……いや、幸運ながら違う。
そこに日本語を話す、かつて日本人であったことに誇りを持つ人々がいたからである。
したがってこの日本語世代がいなくなった時に、わしが今のように親台湾でいられるかどうかは未知数なのである。
その時はとびっきりいい女を用意しておいて欲しい。
見事にふってみせるから。
9・11以降、アメリカの覇権はかつての帝国主義の時代のように猛威を振るいだした。
冷戦構造崩壊以降、ついに世界史に劇的な変化が訪れている今、日本人は何を言っておくべきか?
自称保守派から出されたその答えは「世界最強のアメリ力を信じて嬉々としてついて行け。何の疑念も持つべからず。ましてや批判など言語道断。
それが同盟関係、親友への誠実な態度である」ということだった。
これはある意昧、思考放棄であるから子供でも言える実に簡単な意見である。

 

 
 


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