天国の本屋
著者

松久淳+田中渉

出版社
かまくら春秋社
定価
本体価格 1000円+税
第一刷発行
2000/12/31
ISBN4-7740-0157-0
本が好きな人に、読んでほしい。 「きっと、きみを見つけてみせる」

天国をご存じですか?そこには、本屋さんも喫茶店も、池のある小さな公園だってあります。もちろん、恋もです。この世から天国の本屋のアルバイトにスカウトされたさとしは、緑色の目をしたユイを好きになります。でも、トラウマに悩むユイのこころは閉じたまま。ふたりの未来は、いったい・・・。悲しいことも、とっても辛いことだって楽しくなり、おまけに本を読むことが大好きになる、お得なラブ・ストーリー。

「もう閉店ですか?」

「大丈夫ですよ。なんでしょうか?」

にの本を……探しているんですけど」

「こちらの本ですね。どうぞ」

「あら、ずいぶん早いんですね。まるで用意してあった
みたい」

「用意しておいたんです」

「え?だって私……」

「あなたがこの本を買いに来るって、僕にはわかってた
んです」

「なぜ?しかもこれ、弟が好きだった本なのに」

「よろしければ読みましょうか?」

「え?」

「もうこの店、閉店の時間ですからこの後、その本僕が朗読しますよ」

「……ええ、じゃあお願いします。読んでください」

(本文P.1より引用)

 
 

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