社説の大研究
著者

産経新聞論説委員室/編・著

出版社
産経新聞ニュースサービス
定価
本体価格 1429円+税
第一刷発行
2002/06/30
ISBN4-594-03589-2
新聞はこんなに違う!

全国紙やブロック紙、地方紙の社説(産経新聞は「主張」)を読み比べ、その違いを明らかにする「社説の大研究−新聞はこんなに違う!」が6月28日、全国の書店で発売されました。

 社説は新聞の顔ともいえますが、平成3年の湾岸戦争のころから、各紙の論調の違いが際立つようになりました。このため産経新聞では「社説検証」としてPKO法案の審議、国旗・国歌、首相の靖国参拝問題などが起きるごとに各紙の社説を紹介、違いをわかりやすく解説してきました。

 「社説の大研究」はこの検証をまとめたものです。発売中の「産経が変えた風」と同様、産経新聞の主張の独自性もよくわかります。

新聞は同じではない─序に代えて─産経新聞論説委員長
吉田信行

先日、ある大学教授の講演を聞く機会がありました。
瀋陽の日本総領事館での亡命者連行事件が起きた直後だっただけに、この事件への日本の対応が主たるテーマとなり、「主権意識に薄く、中国のなすがままにされるという日本の現状をつくってきたのが戦後日本のマスコミだ」という、手厳しい批判が浴びせられました。
恐らく特定のマスコミを意識していたのでしょうし、その点では大いに賛成するのですが、ひとくくりに「マスコミ」として批判されることに対しては、やはり忸怩たる思いがしました。
確かに日本のマスコミ、中でも新聞界には戦後「みな同じ」のような状況があったことも事実です。
しかし今、その価値観や歴史観は各新聞によって大きく異なります。
産経新聞と朝日新聞の主張するところは天と地ほどの差があるといってもよいでしょう。
例えば瀋陽での事件についても、産経新聞が「波風を立てないことだけを旨としてきた過去の対中外交の結果だ」
とし、その根源的見直しを求めたのに対し、朝日新聞は「必要以上にナショナリズムを刺激し
合うのは好ましくない」と「冷静な解決」を求めました。
にもかかわらず、多くの日本人は「新聞はみな同じ」と思い込み、慣れ親しんだ新聞を読み続けているのではないでしょうか。
『社説の大研究」はこうした新聞への見方を打破し、「違い」を知ってもらうため、産経新聞が十年以上前から紙上で展開している社説(産経新聞は「主張」と呼称)の読み比べです。
きっかけは平成三年の湾岸戦争でした。
イラクヘの多国籍軍の軍事行動やこれに対する日本の対応をめぐり国論が割れ、新聞の社説も真っ二つに分かれました。
その違いをわかりやすく整理し、読者の判断を仰ごうというのが狙いでした。むろん、日本のマスコミ界では初めての試みでしたが、「新聞のオピニオンの大切さがよく分かった」と大きな反響を呼びました。
こうした声にこたえ、その後も日本が岐路に立つできごとが起きるたびに、各社の社説を検証してきています。対象は原則として朝日、日経、毎日、読売、産経の全国紙五紙としていますが、平成十年には地方紙やブロック紙の社説の検証も試み、テーマによっては米国や韓国の新聞も取り上げています。
本書はこの社説検証を単行本化したものですが、取り上げたテーマの中には今となっては古いというものもあります。
また、その後スタンスを微妙に変えた新聞もあるかと思いますが、杜説検証は「社説史検証」の面もありますので、そのまま転載いたしました。
産経新聞は昨年、『産経が変えた風」(ウエーブ産経事務局編)という本を作り、産経新聞の論調の歴史を紹介しました。
これも大きな反響をいただきましたが、『社説の大研究』によって、産経新聞と他紙との違いをよりいっそう明確に理解いただけるものと確信しております。
平成十四年六月

(本文 序に代えて より引用)

 
 

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