ネットのおやつ
著者

佐藤雅彦

出版社
マガジンハウス
定価
本体価格 1300円+税
第一刷発行
2002/07/04
ISBN4-8387-1350-9
佐藤雅彦のかなり傑作。

so-netで大好評配信された「ねっとのおやつ」がコミック化されて登場。
配信されたアニメーション版も124本すべてを収録してCD-ROMで登場!
佐藤さんの天才的な発想をコミックという手法で表現した作品集です。

あとがき

「ねっとのおやつmasahicomic」は、そもそも、SO−netから配信されたショート・アニメーションでした。
毎日、ひごつの新作をユーザーのコンピュータ上に届ける、というweb上の試みを半年間にわたり行ったのです。
土日はリクエストによる再配信でしたが、それでも全体の数は124本にのぼりました。
今まで、ごんなに短いアニメーションでも、一本あたり最低2ヶ月はかけていたので、この毎日新作という試み自体、かなり無謀なこととは、わかってはいたのですが、かねてからwebという混沌としたメディア上で、映像なごの表現の居場所はごのような形があるのか、ごいうことを考えていた自分にとって、新聞や牛乳を届けるような「毎日配信」や「一回のみの上映」というこの形にごても好奇心を覚えました。
それと、ごの位自分がアイデアを出し続けられるか、という挑戦心のようなものも密かに生まれ、ごうしてもそれらを押さえ切れませんでした。
結果としては自転車操業が続き、最後までひやひやものでしたが、SO−netのスタッフの方々の並々ならぬ尽力を得、なんとか穴を開けずに最終回を迎える二とができたのでした。
124本のアニメーションを作るに当たって、僕はまず、素材やテーマや順番にこだわらず、様々な面白さを作っていきたいご思いました。
単純に笑えるもの、縛麗なもの、かっこいいもの、かわいいもの、そして従来では、それを面白いとはされないようなもの。
そういうものをめざし、錯視(さくし)図形や電気の回路まで取り込んでいきました。
毎8新作を作るという修行のような日々は正直言ってつらいものがありましたが、その当初の気持ちは最後まで忘れずに、いろんなものを実験しました。
「四国はどこまで入れ替え可能か」や「自由人・トム」、「フレーミー」「テケテケ虫(その他、虫シリーズ)」「レッツ錯覚!」「階段の電気の秘密を明らかにしたい」なご、自分でも納得できるアニメーションがいくつかできました。
webというメディアの持つ自由度がそれらを試みる基盤を与えてくれました。
ここで言う自由度とは、アニメーションがデイリーに届けられるという技術的な自由度と、テレビなごのマスなメディアに比べると、作家にとってかなりノーマークになれる環境が生む自由度の両面を言っています。
124本の配信の最初の頃に、はやばやマガジンハウスから「ねっとのおやつ」のコンテの書籍化の話がありました。
自分としては、「ねっとのおやつ」はアニメーションなので、コンテだけでは面白さが発揮できないのではと単純にまず考えました。
自分の尊敬する映画監督のコンテ集も、もちろんそれだけでは表現として完成はしておらず、資料やマニア本の域を出ません。
ましてや今回はそもそもマイナーな「ねっごのおやつ」です。
そんな理由で書籍化について疑問視していた時、逆の発想で、本というwebと違うメディアでも、同じネタで、更に面白い表現はできないものだろうかご、一度「ねっとのおやつ」の全体を見直してみました。
その時生まれたのが、透明なシートを使った「レッツ錯覚!」であり、実際の地図を使った「四国はどこまで入れ替え可能か」でした。
これらのアイデアが出た瞬間に、自分でも見たこともないその表現に期待が高まり、こんごは逆に、早く本を出したい気持ちでいっぱいになりました。
しかし、そこからがとんでもない誤算でした。

(本書 あとがき より引用)

 
 

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