天国の夫へ 13年目のラブレター
著者

ロザンナ

出版社
主婦の友
定価
本体価格 1300円+税
第一刷発行
2002/07/10
ISBN4-07-234413-3
これほどまでに、人を愛したことがありますか

これほどまてに,人を愛したことがあリますか。
ダイナミックに生き、潔く去ったあなた。
亡き夫・ヒデに語る、優しくせつない心の叫び……愛の奇跡を永遠に。

はじめに

一九九〇年に夫、出門英がこの世を去ってから、早いもので、今年で十三年目になります。
とうとう、彼の十三回忌がやってきました。
そこで私は、あることを思いつきました。
ヒデにラブレターを書こう。
私の心の中にしまっておいたさまざまな思いをすべて出しきって、天国にいる彼に伝えよう。
それが彼の十三回忌のレクイエムにふさわしいのではないかと思ったのです。
私は、ヒデと過ごした長い時間の間、彼に手紙を書いたことはありませんでした。
何故なら、私にとって手紙というものは、相手に心配をかけないために、お芝居の台本のように嘘で綴られたもののような気がしていたからです。
病気のときも、元気でいる。
哀しいことがあっても、楽しく過ごしている。
イタリアのマンマからの手紙もいつも、そんな嘘で綴られていました。だから、私は手紙を書くのがあまり好きではありませんでした。
けれど一度だけ、ヒデにラブレターを書いたことがあります。
それは、彼が闘病中に迎えた、私たちの結婚記念日に向けたものです。
ロザンナ・ザンボンという私の名前から、三本のバラもいっしょに贈りました。
洒落のわかるヒデからは、結婚十五周年を祝って、それぞれ色の違う十五本の花束が添えられたメッセージが届きました。
その時、初めてラブレターが愛する人との心を通わせる素晴らしいコミュニケーションであることに私は気
がつきました。
もっともっと夫に手紙を書きたい。
そう願っても、もうヒデはいませんでした。
でも、彼には伝えたかったことがたくさんある。
だから、十三回忌を迎えたいま、彼に最後まで言えなかった心のうちをラブレターにして綴ることにしたのです。
これは、いつか天国で会えるヒデヘの、私の変わらぬ愛のメッセージです。
ごくごく個人的なラブレターかもしれません。
でも、読んでくださる皆さまが「ロザンナにもできたんだから、私も頑張ろう」と、少しでも生きるヒントを見つけてくだされば、天国のヒデも、きっと喜んでくれるのではないかと思っています。

ロザンナ

 
 
   

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