男の子って、どうしてこうなの?
著者
スティーヴ・ビダルフ
出版社
草思社
定価
本体価格 1400円+税
第一刷発行
2002/03/01
ISBN4−7942−1118−X
母親にはわからない事情がある!

男の子には母親にはわからない事情がある!男の子の脳はゆっくり発達し、思春期にはホルモンの影響で頭がぼーっとするなど、親が知っておきたい“現代の知恵”を満載した貴重な書。

母親にはわからない事情がある!

●本書から
 ・男の子の脳は女の子よりもゆっくり発達する。
 ・男の子の就学時期は1年遅らせるほうがいい。
 ・注意欠陥障害(ADD)は、ときに父親欠乏症(DDD)である。
 ・10代前半に、男性ホルモンの影響で頭がぼーっとする。
 ・急成長の時期に、いっとき耳が聞こえにくくなる。
 ・思春期には、親以外の大人の男性の助けを必要とする。
 ・少年はつねに明確なルールと秩序を必要とする。
 ・大人に移行するにはコミュニティに属している必要がある。 

 


はじめに

ひと昔前まで、女の子は男の子よりも軽視され、能力的にも劣るとみなされていた。

家族は女の子に教育をほどこすのはむだと信じ、男の子に教育をさずけるためにすべての資金をつぎこんだ。
男の子は家族の将来をになう重要な存在とみなされ、食べ物や着るものでも優遇された。
男の赤ん坊の誕生は祝福されたが、女の子が生まれると運が悪いと考えられた。
今日でも、タイやネパールでは、少女が売り買いされている
。中国の一部では、女の赤ん坊は死ぬまで放置されることもある。
わたしたちの目には、こうした事実はひどく恐ろしいことに思える。
いっぽう、より身近なところでは、女性の地位を男性と同等に引きあげ、能力をいかんなく発揮させるための長期にわたるつらい戦いが展開されてきた。
その戦いはいまもつづいている。
少年たちがいまおかれている状況と、彼らが必要としているものについて書くにあたって、わたしは女性の地位を向上させるためにいたるところでなされている努力をないがしろにするつもりはまったくない。
しかし、新聞を広げてみれば、少年たちもまた傷ついていることはだれの目にもあきらかである。
今後、よりよい社会をつくっていくには、男性も女性もともにより健康で幸せになれるように努力していかなければならない。
もし、世の中の男性にもっとよくなってほしいなら、
男の子たちを責めるのではなく、もっと理解してやる必要があるだろう。

一九九七年冬

スティーヴ・ビダルフ

 

 

 

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