この人はなぜ 自分の話ばかりするのか
|
||||||
著者
|
ジェーエレン・ディミストリアス | |||||
出版社
|
ヴィレッジブックス /ソニー・マガジンズ | |||||
定価
|
本体価格 700円+税 | |||||
第一刷発行
|
2001/12/20 | |||||
ISBN4−7897−17771 |
はじめに 子供の頃、両親が自宅でよくパーティーを開いていた。 家中に響きわたるような大声で笑う、頭のはげ上がった小太りの男性。 皆、それぞれ外見も性格も違うのにどこか似ている。 月日は流れて二十五年後、はじめて私は何十人もの陪審候補者が裁判所に入ってくるのをどきどきしながら見つめていた。 陪審コンサルタントになる前も、私は自分なりにいろいろな人について判断を下してきたつもりだった。 決して楽な道のりではなかった。 厳しく批判されることも少なくない。 しかし、どんなに一生懸命この信条を説明してもわかってもらえないことが多いばかりか、生命の危険にさらされることもある。 だが、私は人に対して目を開き、耳をそばだてることをやめなかった。 人をきちんと読み取れば、セールスマンなら売り上げを伸ばすだろうし、客ならもっといい買い物ができるようになる。 友人に対しても、もっと優しくなれるだろうし、競争相手には打ち勝つことができるようになるだろう。 何を見たらいいか、何を聞いたらいいかを知るということであり、必要な情報を集めるための好奇心と忍耐を持つことであり、外見やボディー・ランゲージ、声や行動のパターンを理解するということだと思っている。 数年前に『アメリカン・ロイヤー』誌(併轄旺納け)が、私に「予見者」という称号を与えてくれたが、それは大学や大学院で学んだ心理学や社会学、生理学、犯罪学、統計学、コミュニケーション学、言語学のおかげではない。もちろん教育は価値があったが、現在の私があるのは人間の外見や言動に対する強迫的と言っていいほどの興味が「人を読む」力を与えてくれ、人間に対する共感がもっと「人を理解したい」と思わせてくれたからなのだ。 このようにして私が身につけた「人を読む」方法の中でいちばん重要なものは、ひとりの人の持つ、さまざまな特徴の中から浮かび上がる性格や考え方のパターンを見抜くことだ。これは自宅のパーティーを階段の上から眺めていた子供の頃からの人生経験と、四百以上の裁判によって磨かれてきたものであるが、幸いなことに、誰もが、いつ、どこでも習得できるものである。 なぜ私は確信をもってこう断言できるのだろうか?それは、過去十五年にわたり、自分なりの「人の読み方」を一万人以上の調査対象者にテストしてきた実績があるからである。何千人もの陪審員や証人、弁護士、裁判官の行動を予測し、自分の読みが当たっているかどうかを確かめることができたし、判決が下された後に、裁判関係者が何を思ったのか、なぜそう考えたのかを常に自分自身に問い直してもきた。 もちろん、いつも正しかったというわけではなく、最初の頃は間違っていることも多かった。 どこにいようとも、人は人。 どの法廷も人生の縮図であり、怒りや緊張、偏見、恐怖、貧欲さ、欺踊など、人間の持つ感情や特徴で溢れている。 しかし、本書の目的はそれではなく、外見や行動というひとりの人間が持つ特徴を見つけながら人間の本質をあらわす全体的なパターンを読み取ることにある。 本文より引用 |
|||
|
このページの画像、本文からの引用は出版社、または、著者のご了解を得ています。 Copyright (C) 2001 books ruhe. All rights reserved. 無断でコピー、転写、リンク等、一切をお断りします。 |