失敗を絶対、成功に変える技術
 
  できるビジネスマンとできないビジネスマンの差は、このノウハウにあった!「失敗学」の提唱者と「心理学」の俊才が、失敗の生活術をわかりやすく具体的に解説。 決定版 ! 失敗学実践法   
著者
和田秀樹 / 畑村洋太郎
出版社
アスキー
定価
本体価格 1500円+税
第一刷発行
2001/7/28
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ISBN4−7561−3848−9

はじめに

失敗に悩む人たちの実践的バイブルに失敗を真正面から見据え、これにきちんと対処しないかぎり成功はあり得ない。
もしも失敗をそのまま放置しようものなら、その先に手痛いしっぺ返しが必ず待っているはずである─。
新たに始まった二十一世紀という時代は、そんな様相を呈してきた。

最近、失敗の話題が際だって目立っている。
テレビや新聞などのニュース報道を見ても、その種の話題を目にしない日はないほどである。
二〇〇〇年の雪印乳業の集団食聖母事件、三菱自動車工業のリコール隠しのように、被害者と同時に失敗当事者までが大きなダメージを被ったケースをはじめ、頻発する食品会社の製造過程での異物混入や医療、、ミスなど、現実に起こっている多種多様な失敗の例をあげれば枚挙にいとまがない。

本当に、かつてない異常事態の訪れのようである。
ひと昔則まで、日本は世界の手本になるような優れたシステムを有していたとされ、QC(Quality Control)をはじめとする独特の手法は欧米からも高い評価を得ていた。
「エコノミック・アニマル」というありがたくない呼び名は、裏を返せば世界を席巻していた日本企業の強さを象徴する称号である。

その日本で、いまでは信じられないようなミスが日々繰り返されているというのだから、だれしも驚きを禁じ得ないだろう。
このように失敗が安易に繰り返されている原因については、本書のなかでも詳しく取り上げられている。
ここではあらためて詳しく論じることはせずに、「社会の構造が大きく変わったことに起因する」とだけしておこう。

すなわち、高度経済成長期からバブル全盛期に至る大量生産、大量消費の構造が崩れてマーケットが成熟期に入っているにもかかわらず、この変化にうまく対応できないでいるがゆえの不景気であり、事件、事故、トラブルというわけである。
そして、この背景には、失敗を忌み嫌い、これを真正面から見据えようとせず、できるものなら黙殺しようとする日本文化が持っている問題点があることもここでぜひ指摘しておきたい。

自らが失敗の当事者になったとき、これを黙殺するのでも隠すのでもなく、失敗した事実を謙虚に受け止めて未来の成功の糧にすることができたら、失敗後の状況も自ずと変わってくるはずである。
それをせずに、失敗を失敗と認めないで失敗原因をそのまま放置していれば、その失敗が次の大きな失敗を引き起こす原因になるのはいうまでもない。
もちろんこれは、私たち一人ひとりの人生においても同じことだ。

失敗をしたとき、「隠したい」「見たくない」などと考えるのが人間の心理だが、そのような態度で失敗とつき合っていてもなんのメリットも得られないし、逆に一つの失敗から次の失敗へと広がっていく「失敗の連鎖」によって新たな失敗へと巻き込まれていくだけである。そうであるなら、失敗を真正面から見据えてうまくつき合っていく生き方を選択した方が断然得策といえるだろう。
俗に「失敗は成功のもと」「失敗は成功の母」などといわれるとおり、失敗は扱い方次第で成功の糧になる貴重なものである。

しかしながら、失敗を成功に誘うのはなかなか難しいことで、だれもが容易にできるというものではない。
これを行うには、失敗というものの特性をよく知り、失敗を成功に変えるためのノウハウを学ぶ必要がある。その意味では、「失敗学」を提唱す る畑村洋太郎氏(東京大学名誉教授・工学院大学教授)も失敗者の心理状態に詳しい和田秀樹氏(精神科医)も、失敗対策のアドバイザーとしてはうってつけの人物といえるだろう。

両氏から聞けた失敗の話は、失敗と正面から向き合い、これを成功に変える技術を身につける上で必ずや最高のアドバイスになるにちがいない。
本書が失敗に悩んでいる人たちを救うバイブルになることを確信してやまない。

アスキー書籍編集部

 

 

 

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