アジアを揺るがすゴーマン
2001年、教科書問題と台湾の李登輝前総統の訪日問題が、日本の外交を左右する大問題として浮上してきた。
どちらもわしがこの『新ゴー宣』でこだわって描いていた問題である。
「新しい歴史教科書をつくる会」が関わった歴史・公民教科書に対して中国・韓国はしつこくしつこく修正要求を繰り返している。
ほんとによくやるよと思う。
日本人の感性では考えられない。
甘えているのか、自尊心が強すぎてよっぽど自国の過去が恥ずかしいのか、ほとんどストーカ-的執着心で再修正を要求している。
しかもその修正要求箇所が歴然とした誤りなのだかう話にならない。
学術的にあまりにもレベルが低いのだ。
この修正要求は、中国・韓国において、いかに史料に基づいた研究が自由に行なわれていないか、歴史研究が政治に従属してしまって、いかにレベルが低くなっているかを証明するものでしかない。
日本政府は、中・韓からの要求に対して、「事実の誤りは検討する」とか、「共同で歴史の研究をやろう」とか、「政府の見解は1995年の村山談話だ」とか、なるべく無難な言い方で切り抜けている。
なぜ腰が引けているのだ?
向こうの修正要求の誤りを堂々と指摘してやればいいじゃないか。
ちょうどいいから、こちらからも中国・韓国の教科書に書かれている桁外れの「反日・自国美化史観」の明白な事実の誤りを100か所くらい指摘してやればいいではないか。
特に自国のナショナリズムを強化するために、危険なほどの「反日」意識を子供たちに植え付けている彼らの歴史教科書に対して、強硬な修正要求を突きつけるべきなのである。
日本の歴史教科書には「つくる会」も含めて「反中国」や「反韓国」の意識を植え付けるような幼い記述は一切していない。
将来のアジアの安定と平和のために、中国・韓国の「反日」を核にしたナショナリズムを止めてくれと要求してはどうか!
中国は自国民に「反日」感情だけを植え付け、日本からの3兆円を超える巨額のODAについては、まったく国民に知らせないという歪んだ政策を止めてくれ、でないとODAは見直す、と伝えてはどうか!
日本はいつも、何も要求しない。
いつも、する必要もない弁解と言い逃れに終止するだけ。
常に腰が引けているのが日本の外交なのである。
なんで田中真紀子外務大臣は歴史教科書問題で「心を痛めている」などと中国・韓国に繰り返す?
官僚にそう言えと言われたのか?
本気でそう思っているのなら、一体全体、どの部分に心を痛めているのかはっきり言ってもらいたい。
言えるわけがない。
あの内弁慶のおばさん、日本の歴史など全然知らないのだから。
日本の歴史なんか知りもせず、中国への私的な恩情からマスコミの偏向報道を信じ込んでしまい、「私の父の恩人である中国様を怒らせる教科書なんてろくなもんじゃないわ」と思ってるだけなのである。
李登輝前総統に対するビザの発給も「私ならもっと慎重に考える。シンガポールかアメリカに行ってもらう」などと発言し、中国の外相に「今後、李登輝氏の訪日申請があっても認めない」と電話で伝えてしまっていた。
そしてそのことを国会で問われて、内弁慶・真紀子は回答を拒否し、国民に事実を隠してしまった。
秘密外交を行なっているのだ。
やっと河野洋平が去ったと思ったら、もっと最低最悪の外務大臣が誕生してしまった。
しかもこれが外交政策のことなんかまったく関心がない大衆に大人気ときている。
ポピュリズムここに極まれりである。
やっと李登輝氏の訪日までこぎつけた台湾問題もまた振り出しに戻ったのだろうか?
しかしブッシュ政権が明らかに台湾寄りにシフトしてきた事実がある以上、日本もそろそろ中・台関係を自前で考えて対処しなければならない時代になってきたのだ。
わしは教科書問題にしろ台湾問題にしろ「内政干渉はいけない」などとは言わない。
国と国の関係というのは、常に相手国に干渉し続けるのが外交なのである。
近頃流行りの「引きこもり」みたいな日本国であってはならない。
わしは『台湾論』を現地発売して「『台湾論』風波」と呼ばれる大騒動を巻き起こしてしまった。
湾国内には『台湾論』が「内政干渉」だという声もあったのである。
その結果、国民党独裁体制の名残である旧官僚によって、ブラッククリストに載せられ、「人境禁止」になってしまった。
|