はじめに
私はこの本をたくさんの人に読んでほしいと思っている。メイクに興味のある人、老化(エイジング)に悩む人、顔に傷やアザなどの悩みやトラブルを持っている人はもちろん、医療に関わっている人や男性などなど、様々な人に読んでほしい。
悩んでいる人には、メイクという手段があるじゃないか、と安心してほしい。
私が現在、もっとも力を注いでいるのが「リハビリメイク」である。
これは、大人の女性にとって大きな力になるメイクである。
シミ・シワ・たるみなどが通常のかづきメイク以上にカバーできる。
と同時に、これは、事故や病気などで、顔などにダメージを負った人に施すメイクだ。
本人が気になる火傷や傷、アザなどのダメージをできるだけ目立たなくして、社会復帰を助けるためのものである。
また、心の傷を癒す一つの方法でもある。このリハビリメイクを、私はライフワークだと思っている。というのも、私自身が自分の顔で悩んだ経験があるからだ。
子供の頃から心臓に病気があり、冬になると顔が真っ赤になった。顔が真っ赤になっている間だけ、性格も暗くなるほど苦しんできた。病気を治し、顔も赤くならなくなった今でこそ元気そのものだが、顔で悩む人のことを他人事とは思えない。
だから、リハビリメイクが顔の悩みを克服する手段になれば、こんなに嬉しいことはない。そして、リハビリメイクの必要性を、たくさんの人に考えてほしいと思う。
どんなに美人でも、年齢を重ねればシワもよればシミも出てくるし、肌だってたるむのだ。顔に悩みが出てくるのは万人に共通なのだから、リハビリメイクは決して特別なものではない。三十歳過ぎたら誰にだって必要なメイクの技術であり、心をケアする一つの方法なのだ。
顔で悩んで人生をネガティブに生きるなんて、もったいないと思う。だから、少しでも悩みを軽くして、楽しく元気に生きていくためにメイクを勉強してほしい。メイクを自分のものにすることで、顔の悩みを受け入れ、悩みを克服して、ポジティブに生きていくためのきっかけにしてほしいのだ。
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